私と森博嗣さんの作品との出会いは“まどろみ消去”からでした。 そこから“レタス・フライ”に至るまで、彼の作品にどっぷり浸かりました。
私は短編を通じて犀川助教授と西之園萌絵のイメージが定着したせいか、 レビューにて多く書かれていた「キャラクターのブレ」を殆ど感じませんでした。 いや逆に短編に書かれた彼らと、“すべてがFになる”の彼らに、 違いなどなかっと思います。
ツーシータのスポーツカーを見て「低機能だ」と考える 犀川助教授のベースは全くブレていませんね。
森さんの作品には工学者としての信念というか心得が随所に見られ、 エンジニアの端くれとしては、とても心躍るものがあります。 「表現や解説に専門用語が多い」などの感想も多いですが、 工学を専攻した者にとっては全く問題ないものと考えます。
まぁ「万人に受ける作品でなければ」と思う方からみると敷居は高いか。 でもそういったアプローチでミステリィを書き上げたところは 「流石だ!」と唸ること、この上ないのではと思いました。
本作品の“THE PERFECT INSIDER”は、本当に完全な内通者だったと思います。 自分が今まで生きてきた中でBとDが仲間外れだなんて思わなかったし (いや数字で表されていたら解った。なんてのは言い訳ですね。) そういったことを気付かされたことも、とてもいい作品と思った要因の一つです。
四季シリーズの夏まで読んで,今回10年ぶりぐらいに読み直しました。
【以下,ネタバレ感は個人差あると思いますので注意】
初めて読んだときとは印象がまったく違います。特に,著者の文章の雰囲気が近著とあまりにも違い戸惑いました。登場人物も,「こんなにしゃべる人だっけ??」という違和感。行間もたっぷり最初から詰め込まれている感じ。おなかいっぱい。
四季シリーズまで読んできて,「ここがこうつながっていたの?」という驚き。最初からここまで考えて書いていたのか,それとも後から辻褄を合わせたのかについても疑問。とにかく,シリーズを追うごとに謎が増えていっています。
今後も著者のペースに追いつこうと読み進めると思うのですが,ネットのどこかに人物相関図なんかがありそうで,でもそれを見てしまうと楽しみが減りそうでとジレンマ。
私と森博嗣さんの作品との出会いは“まどろみ消去”からでした。 そこから“レタス・フライ”に至るまで、彼の作品にどっぷり浸かりました。
私は短編を通じて犀川助教授と西之園萌絵のイメージが定着したせいか、 レビューにて多く書かれていた「キャラクターのブレ」を殆ど感じませんでした。 いや逆に短編に書かれた彼らと、“すべてがFになる”の彼らに、 違いなどなかっと思います。
ツーシータのスポーツカーを見て「低機能だ」と考える 犀川助教授のベースは全くブレていませんね。
森さんの作品には工学者としての信念というか心得が随所に見られ、 エンジニアの端くれとしては、とても心躍るものがあります。 「表現や解説に専門用語が多い」などの感想も多いですが、 工学を専攻した者にとっては全く問題ないものと考えます。
まぁ「万人に受ける作品でなければ」と思う方からみると敷居は高いか。 でもそういったアプローチでミステリィを書き上げたところは 「流石だ!」と唸ること、この上ないのではと思いました。
本作品の“THE PERFECT INSIDER”は、本当に完全な内通者だったと思います。 自分が今まで生きてきた中でBとDが仲間外れだなんて思わなかったし (いや数字で表されていたら解った。なんてのは言い訳ですね。) そういったことを気付かされたことも、とてもいい作品と思った要因の一つです。
珈琲のすべてがわかる事典
ただのコーヒー好きなら、納得の入門書。
まぁまぁコーヒーにはうるさい人には、目からうろこの内容ウンチク本。
プロの珈琲関係者には、ここ最近の業界を知る情報誌。
この一冊を読めば、だれでもコーヒーを語れるようになる気がする一冊です。
ミステリー好きはこの世に数多くいらっしゃっても、
作品に何を求めているかは、恐らく各々かなり違いがあると思います。
不条理な動機、奇抜なトリック、魅力的な登場人物、特殊な世界観、
はたまた作者の哲学を求めている方もいるかも知れませんね。
それらの形は読み手によって変わりますが、上に挙げた要素全てがこの作品にはある、
私はこの「すべてがFになる」を読み終わって、そう確信しました。
「なんなんだその動機は!」と納得できない方も多いようですし、
「プログラムとかよく分からない」と消化不良になる方も多いようです。
他に類を見るよくあるミステリーと違い、森氏の作品には、
パソコンを知らない人にインターネットのことを説明しても理解し辛いのと同様に、
読み手に多少の知識が必要になることは否めないでしょう。
しかし、上述の全ての要素が凝縮し、高い次元で昇華されており、
結末のインパクト性と相まってこのシリーズの第一作として相応しいと思います。
物語は、一人の超絶的天才が、恐るべき正確無比さで、
しかし非常に現実的に淡々と一つ一つ着実に犯罪をこなしていく様を、
それには及ばない天才が読者に後追いで説明していく作品・・・というとなんだそりゃ、ですね。
この作品の最大の魅力は、非現実性でしょうか。
ミステリーなのだからそんなのは当たり前でしょうが、
全てが彼女に騙される、この一言に尽きる・・・そんな一冊です。
とある登場キャラクターの才能と頭脳に、ただただ凡人は驚嘆する、
その過程を楽しむのがこの作品だと個人的に思います。
不可解さとか、ミステリアスさ、超人的な様を楽しめれば、
この作品は完全消化したも同然です。
そして、そこから貴方のS&Mシリーズは始まりを告げるはず。
大変魅力的な主人公2人、犀川創平と西之園萌絵が織り成す非現実を是非体験して下さい。
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