全ての作家は、暴力、人殺し、泥棒、強盗、レイプ、放火、アルコール中毒、薬物乱用、幼児虐待、漁色、賄賂、浪費、いずれかの面で欠陥があるらしい。
その中でもトップに来るのが
『ドストエフスキー』
微温的なグループと交際して、警察に逮捕され死刑判決を受け処刑台に贈られるが土壇場で恩赦。
とばく癖もすごく、ルーレットで金をすり切符代、パン代も使いさらに友人から工面するがその金もすってしまう。
さらにすごいことやっているが、ここで書くのは遠慮する。
『川端康成』
この男もかなりの変態である。
20人の舞妓を並ばせて一言も発さず、顔をじっくり見るだけ飽きたらまた別の子というのを繰り返し、結局何もしなかったという。ある種のプライドを持っている人に対してはひどく馬鹿にした行為といえる。
『永井荷風』
自分を慕ってくれていた裏切る形で、久保田万太郎と佐藤春夫を悪口の限りを書いたものを『断腸亭日乗』歴史に残るものに記載してしまった。
久保田万太郎と佐藤春夫は犬猿の仲で有名だったのだが、永井の死後に仲良くなったという。
永井荷風は、莫大な印税で待合を経営し、寝室の壁に巧妙に覗き穴をを製作し、若い夫婦の夫婦の閨房を窃視していた。
面白い癖をもった顧客は料金を割り引いたとか。
作家というのは特殊な性癖の持ち主で、人格破綻者と相場が決まっている。
俳句を自分の「余技」あるいは「かくし妻」という万太郎の句集。
俳句というものは、ひょっとすると「余技」としてやったほうがよいのかもしれない。
そう思わされてしまうほど、万太郎の俳句は深く広い。
「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」なんて重い俳句があるかと思えば、「四月馬鹿朝から花火あがりけり」なんていうすっとぼけた俳句もある。
小さな書店ではあまりお目にかかれない本ですが、是非手にとって、ゆっくりと味わってみてほしい句集です。
ちなみに、物理学者の寺田寅彦さんも俳句がとってもお上手です。
こちらも「余技」として、力みのない俳句を詠まれています。
|