驚くほど全体的に仕上がりがイイ。 幾つか、99・00年と重複する曲があれど、全く問題なし。 初めて聞く方は勿論、シリーズ通して聞いている方も大いに納得出来ると思います。
'60年代という時代の空気感の一片を切り取った、音楽やファッションやポップ・カルチャーを知るには格好の作品。
ひとりのモッズ少年に焦点をあてて当時の若者文化をリアルにあぶり出しつつ、クールな語り口で鬱屈した、出口のない若いエネルギーや虚無感を描き出し、当時の若者像を等身大の形で見せてくれます。
シナリオの脆弱さは感じましたが、それを補ってあまる魅力がこの映画にはあると思いました。
それはザ・フーの音楽だったり、ミュージシャンたちが醸し出す雰囲気だったり、モッズが生み出した新しいスタイリングだったりするわけですが、この映画が今も変わらず若い世代の共感を得るのは、こうした数々のスパイスがきいているからでしょう。
ポップ・カルチャーを題材にしてもわざとらしくなく、ストリートから自然に生まれた映画のように見えるところがいいですね。
普通(夢に向かって信念はあるが純情な)の役柄のB.デイヴィスを初めて観たが、以外に新鮮。いつも癖のある役が多い中、この手の役を難なくこなしているところは流石の一言に尽きると思う。また、ボギーも出ているが、これは主演のR.ハワードが舞台で演じた親友(ボギー)のために実現させたという裏話もあります。
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