ずーっと見れなくて購入してから半年以上経過してこの連休中に一通り見ました。 値段とかキャラクターの甘さとか値段が高いなど色々言われていますが、資本主義と言う名のお金至上主義と一部の寡頭勢力の支配している社会に対する批判を描いている物語だと思いました。本当は、原作小説に書くべきレビューかもしれませんが。原作は文章が相性が合わなくて読み進められず引っ越しがあったため読まずに古本屋へ転売との憂き目になりました。本当はアニメ放送中に1話を見てこれは骨のあるアニメだとおもったので原作とDVDを購入したといういきさつでした。 今読んでいるのがある意味ユースタス・マリンズの『カナンの呪い』成甲社刊なのでどうしてもそのような見方をしてしまいます。そのような社会批判の概念で書いていた小説でラノベの形式をとっていたら、国子なんか不死身のスーパーマンにせざるを得ないのですなと思ってしまいます。 私が魅力を感じるのはお金大好きネオカーボニスト(新たな炭素経済という至上でのディーラー)の石田花凛ちゃん(10歳)とか日光に耐性の無い病気を持ちながら宮家の血を引く無垢で子供らしい残酷さを持ち合わせている美邦様(8歳)の幼女に魅力がうつる。ヒーロー(?)になる草薙国仁は魅力がない。草薙はヒロイン国子のパートナーにもなれるかどうか不明である。このままアニメのストーリーで続いたら国子は一人身でこれからの日本を立て直すリーダーになり草薙君は国子のお友達の友香ちゃんくらいとくっつくのでは?と思ってしまう。 あとは一部の世界を支配する側のアトラス側の人間で魅力的なのは何と言っても成瀬涼子様でしょう。Sの女王ですよね。あと後半で魅力的だったのは小夜子さんですね。ミーコと美邦とのやりとりには美邦がだんだん人間らしい感情を習得していく過程から涙なくして見れませんでした。 年取ると涙線がゆるんでしまう。とにかく幼女の美邦と花凛に大ファンになった物語でした。あと水蛭子ちゃんにもね。
去年の1月に出会ってから1年、すでに5回はみっちり読み返しました。(通常そういうことはしない) 予備知識無くこの本を手に取った自分ってかなり冴えてるじゃんと誉めてやりたい。(文庫本の装丁した方に感謝) 筋がどうとか登場人物がどうとかよりも、さりげなくどっぷりはまれる世界観がたまらない。 クーロンズゲートとか鳥山あきらとかジャン=ピエール・ジュネ監督とかその辺のさらっと現実をかすめる変態な世界観にはまるのが好きなら相当たのしいと思う。 この本によって石垣島は私の中の西方浄土となりました。
SFはほとんど読まないのだが、面白いという評判なので、読んでみた。ハードカバーで上下段600ページと、かなりの大作である。地球温暖化の進行により、世界経済は炭素本位社会に移行しており、東京も人々は気温が低い空中のコロニーである「アトラス」に移住しはじめ、地上では、二酸化炭素を吸収させるための政府の施策として急速な森林化が行われているという設定。「アトラス」に住むには、一定のアトラスランクを取得していなければならず、それが取得できない貧民層は、森林に浸食される地上のスラム街に住むしかない。そのような設定の中で、貧富格差に伴う闘争、炭素本位社会における金儲け、政府部内における権力闘争などを描写している。いくつかの場所で同時進行で話が進んでいき、物語が進んでいくにしたがい、それらの連関が明らかになっていくというスタイルで、展開もコロコロと変わるので、読むスピードがどうしても抑えられてしまい、読了するのに1週間かかってしまった。SFとは言いつつも、現在社会の問題点をかなり意識して書かれており、そのあたりの著者の視点は斬新で面白いのだが、現実主義者としては、SF固有の現実ではあり得ない描写の中にはついていけない部分もあった。全体としては、まあ面白いの部類か。人の好みによって評価の分かれる小説だと思う。
「統ばる島」遠く琉球王国以前の時代から脈々と継がれてきた島々での自然の営み。
著者は現在の沖縄の島々を内地の人々にも判り易く描写することに長けている 当代きっての作家だと思います。 中でも随所に出てくる島の要となる御嶽(こちらの世界では鎮守の森に相当?)に 対する信仰心の厚さに興味を覚えました。 人の営みも自然の流れの一部、その中の一瞬の営み・・・その一瞬をどこでどういう ふうに生きるかを、あらためて考えさせられました。
「統ばる島」は、自然とかけ離れた都会に住んでいても忘れてはいけない事々が 数多く書かれた良書です。
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