サイラス・マーナーは孤独な男性。ある雪の日、家の中に突然赤ん坊がいるのを発見し、彼はその子を愛していた妹からとった名前をつけ、全身全霊を捧げ愛し、育てます。 サイラスを孤独という名の絶望から救ったのは、1人の子ども、エピーでした。無邪気に人の愛を求める存在を愛し慈しむことが、彼にとって何よりの慰めとなり、癒しとなったのです。 エリオットは敬虔な国教徒でしたが、若い時代に、ある日を境に教会へ行くことを拒否しました。その後彼女がつかんだ宗教観は、「人間を救うのは人間」というものでした。 現代、ニューエイジの本を紐解くと、「神は自分自身の中にいる」という考えが多く見られます。これは、エリオットが探し当てた宗教観と通じるものだと思います。 19世紀初頭ののどかなイギリスを舞台に広がる、小さいながらとても輝きのある光を放つ物語です。
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