20年ほど前に当時ブームがあった時に文庫本を購入。それまでに百名山に記載された山々の中で幾つかは実際に上ったことがあります。現在月日が流れ会社生活の定年も近付きました。 定年後百名山の中で再び登ってみたい山があり文庫本を久しぶりに取り出してみようと思いましたが老眼のため良く読めず。 単行本を改めてチョイスし今までに溜めた百名山のビデオをみながら現在じっくり読んでます。 人それぞれに百名山に対して何かと意見があろうかと思いますが、余社深田久弥は先陣を切って自らの体験をまとめました。 敬意を表するとともにこれから彼のガイドに従い山登りを楽しもうと思います。 山を愛する人は是非一読を。
私は特にチェロを使った1.山頂に吹く風、チェロとバイオリンが交じり合った23.山の見える街が好きですね。雄大さと新鮮な空気が目の前に広がる感じで、本当に気持ちが安らぎます。 朝起きてすぐにベッドの中で聞きたいアルバムです。 いい一日がイメージできそうです。
1961年に出た単行本を1969年に文庫化したもの。ただし、数編が入れ換えてあるという。 21座の山々を訪れた山行記。取り上げられているのは、雨飾山、皇海山、羅臼岳、剣山、大台ヶ原山など。 いずれも1960年前後に登ったもので、著者も50代後半。奥さんや息子を連れての旅も多く、のんびり、ゆったりした登山が多くなっている。山歩きの延長としての登山が楽しめる。ただ、淡々とした筆調なので、好みは分かれるだろう。私はあまり評価しない。 『日本百名山』を構想しながら書かれたもので、そのプロトタイプともなっている。比較してみても面白いかも。
中高年を中心に、百名山ブームである。いうまでもなくブームを作ったのが本書。 弊害もある。 百名山というのは、あくまでも「深田久弥の百名山」であって、絶対のものではない。百名山でなければ山にあらず、といった人たちも少なからず存在する。 こういう人は百名山以外の山には見向きもしない。近くにいい山があるのに素通りしてしまう。 自分は完登したとか、いくつ登ったかを自慢の種にしたりする。 登山は、自分なりに自分の尺度で楽しむべきもの。他人の選んだ尺度を絶対視するのは本末転倒だろう。 さりながら、日本百名山とは蓋し名著である。まず、いい山を選定している。彼は、名山の条件を「品格・歴史・個性」を重視して選定した。そして、「高ければいいというわけではない」としつつ、概ね1500m以上を条件とした。(例外は2山ある) その数倍の山を、50年かけて登った深田久弥はさすがにいい「山見」であった。皇海山、平ケ岳、雨飾山、荒島岳など、地味だが名山にふさわしい風格を深田は見出した。
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