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上映初日から映画館へ出かけて観てきた作品でもあります。初っぱなからウキウキするような、ずっと釘づけになって楽しめる、2007年最高に楽しめる1本なのでお勧めします。何度も観たくなること間違い無しです。キャスティングも素晴らしい。
 
 
   
治療不可能と宣告された23歳の女性の、死ぬまでの人生を描いた作品。
 いつも当たり前のように過ごしていた出来事が、死の宣告により
 全てが愛おしく、貴重な出来事に様変わりする。
 
 毎日目にする、子供、夫、友人、風景全てがもう見えなくなるということの悲しさと
 自分がいなくてもどうしたらみなが幸せにやっていけるかを考え
 彼女は死ぬまでにやりたいことを10個挙げる。
 
 1.娘たちに毎日愛してると言う
 2.娘たちの気にいる新しいママを探す
 3.娘たちが18歳になるまで、毎年誕生日のメッセージを送る
 4.家族でビーチへ行く
 5.好きなだけお酒とタバコを楽しむ
 6.思っていることを話す
 7.夫以外の人と付き合ってみる
 8.男性を夢中にさせる
 9.刑務所のパパに会う
 10.爪とヘアスタイルを変える
 
 最初の4つは家族のこと、後の6つは自分のこと。
 
 もう生きられないと知った時、真っ先に頭に浮かんだのは家族のこと。
 特に2人の娘は自身が17,19歳の時に産んだ子。
 2人とも今の旦那の子ではないが、今までの思い出、同じ女としてもっとたくさん話したいことがあるのを何とか形にして、娘たちに伝えようとする。
 
 娘たちを大事に育ててきて愛しているのは確かだが、育児のために自身の夢を諦めたのも確かなこと。
 その思いが後半の「したいこと」にでている。
 
 リストに挙げてある通り、他の男性と恋をするようになる。
 それも偶然カフェで知り合った男との恋。
 また、今まで全然気にしなかった見た目でも、付け爪をしたりして、キレイになっていく。
 
 今までいつかはしてみたいと思っていたがなかなかやろうとしなかったことをこなしていくごとに満足感は得られているが、それは逆に死へ近付いているということでもある。
 
 全てをこなした後で彼女は
 「別れの時がいつか来ても私の人生はずっと続く
 世界は私に何もしてくれない
 こんな人生のどこがいいの?
 あなたなしじゃ私は生きられない」
 
 と詩を残してこの世を去る。
 
 この映画を見て思ったのは、生への執着を見せず、ありのままを受け入れようとしている彼女の姿がとても素敵だったこと。
 冷静に何をやっておきたいかを考え実行に移している。
 
 母親として、娘たちの幸せのためにできることを考え形として残そうとする。
 それが、テープレコーダーでの声の録音。
 今は分かってくれなくても、少しずつ大人になっていった時に、自分が何を思い、考えていたのかを知ってもらえるよう、娘たちの誕生日ごとにテープレコーダーを用意し、吹き込んでいく。
 それは、娘たちのことを心配している反面、いつまでも自分がいたことを忘れて欲しくないという思いが含まれているのかもしれない。
 
 もう一つ印象に残った点は、人との会話を大事にし始めたところ。
 トレーラーハウスに人を呼んでご飯を一緒に食べたり、刑務所に入ってる父親に会ったりしている。いろんな人と会うことで、過去の回想にもなるし
 自分自身を見つめるいい機会にもなるからであろう。
 
 死への直面という非日常のことではありますが、この映画を見てると一つ一つの出来事や経過を大事にしていこうと思いました。
 
 
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