首を吊る老人から始まり、弱肉強食、死体、ポルノ等の映像を背に、まるで見世物小屋さながらの背徳感の中『Shadows Of The Sun』『Blood Inside』を中心としたサイケデリックで浮遊感あふれる楽曲が絡んでゆく。
終盤では異形の老人がステージに登場し、今にも崩れ落ちそうな奇妙な動作と共に観る者の心臓の鼓動に拍車をかける。
観終わってみても張り詰めた緊張の糸はほぐれる事はなく、現実の混沌、絶望感、業...やはり背徳のような物が感情に訴えかける。
そして終幕に映し出された言葉の意味とは・・・?
楽曲の再現度も高いのでアーティストに興味はあるがアルバムは未聴、という方は先にこちらを買ってみても面白いかもしれない。
DVD & Bluerayの2枚組でした。
ギター、ボーカルともしっかりしたテクニックで聴かせるフォーキーな世界。凍てつく空気と暗黒の森が目に浮かびます。一人で暗い気分になりたい時に聴きましょう。
ブラックメタルバンド・Ulverとしては最後となった3rdアルバム。
1stではポスト・ブラックの原点と言われる程の幽玄な音楽をやっていたのに、2ndを経て何を思ったか極悪プリミティブ・ブラックメタルを発表しました。
タイトル通り、音質は凄まじいです。ドラムはスコスコ・ブラストの応酬、ギターはチリチリザラザラ。申し分のない劣悪な音質ですが、意外に音の分離は良く、慣れてしまうと結構聴きやすいことに気が付きます。むしろこの音質が癖になります。
そして肝心の曲は、ブラストをバックにギターがやかましくトレモロリフを刻みメロディを奏でるのですが…これが実にメロディアスで驚きます。 どこかのバンドの帯に「美旋律の洪水云々…」なんて書いてありましたが、このアルバムが正にそれ。下手したらメロブラ以上のメロディの洪水に襲われます。 そしてそのメロディがブラックメタル特有の邪悪さを伴った退廃的美旋律であるから堪らない。
プリブラの名盤と言われる本作は、ギターメロディの宝庫であるという点からメロブラの名盤と捉えることも可能だと思います。 本当にこのメロディは素晴らしいです。
|