この映画には、「愛」に溢れています。 いや、「愛」という言葉が適切かどうかはわかりませんが、 とにかく主人公のマヌエラの全てが「愛」に包まれている。
そんな彼女に映画を観終わった後、自分も彼女に包まれているかのような錯覚を覚えました。
劇中のキャラクターは普通で言えばとても「変わっている」人たち。 でも、それが当たり前の世界であるように見せるのは、自身同性愛者であるアルモドバル監督だからなのでしょうね。
この映画に登場する男性は「エステバン」のみ。 あとは女性が主役。 その女性の逞しくも緩やかで穏やかな感情をこれほど艶やかに見せてくれたのは、 この映画が初めてです。
男の私でも、物凄く感動しました。 陳腐な言い方しかできませんが、本当にそうとしか言いようがない。 本当にいい映画です。 満点です。
生物学的に規定された性を生きることに何も疑問を持たないで、人は生きる。でもそれに違和感をもってしまったら。。そして、そのために傷つく人がいたら。。。これは父親となったあと、女性に転向し、しかも生殖的には男性のまま女性を愛する「男」と彼を愛した「母」、そして父探しかなわず死んでいく息子、母の友人ーーレズビアンの女優、トランスジェンダーの友人、痴呆の父を持ちエイズに感染して子供を産んですぐ死ぬ革命思想をもった少女。多くの性と生が錯綜し、何が「正しい」のかというルールがむなしく見えてくる映画である。
正直安っぽさを感じてしまったんですが。劇中の女性達が誘い泣きを頻繁に行うので見てるほうもついつい涙ぐんでしまいますがストーリそのものではそれほど感動できないです。冒険活劇並のスリリングな展開が繰り広げられます。
映画とはまた異なる面白みがありました。 あとがきなどで触れられているエピソードの源が知ることができたことが大変興味深かったです。
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