ダーク・ボガード扮する弁護士がプライヴァシー(バイセクシャル)をネタに恐喝され、苦悩する様子を端正に描いて居ます。 この映画が作られた背景には英国の男性に対する同性愛禁止法があり、丁度1957年に提出された同性愛の犯罪と売春に関する部局委員会の報告書(Wolfenden Report)により改正が強く求められていた機運がありました。 本作や他の抗議活動を経てようやく1967年に制限付きで同性愛を認めた新しい性犯罪法案が通過致しました(1967年法)。 当時ロマンチック・コメディの2枚目として女性に絶大な人気を誇っていたが実年齢より若いタイプキャストを演じる事に疑問を感じていたボガードが他の役者に断られてキャスティングに困っていた本映画の出演依頼を受けた経緯がありました。
従来、映画内で描かれるシリアスな同性愛者はその死(多くの場合は自殺)で終わる事が殆どでしたが、本作の主人公、メルヴィル・ファーが健康で生き延びるのみならず、プライヴァシーへの恐喝に対して苦悩しつつも立ち向かう誇り高い人間として描写されている点が画期的でした。 ファーを演じるボガードは、後のロージー作品より老けて沈痛に見える外観で非常に抑制の効いた素晴らしい演技を見せます。 そして、この映画を突破口としたボガードは水を得た魚の様にミステリアスで挑発的な演技派としてヨーロッパ映画の名作に次々と出演する事となります。 夫を愛するが故に共に苦悩する妻役のシルビア・シムスも名演です。 プロデューサーマイク・レルフと共に本作の映画化を決めた勇気有る監督は「カーツーム」やイーリングスタジオのホラーオムニバス「夢の中の恐怖」のベイジル(バジル)・ディアデン。 この様な歴史的価値が有るフィルムですが、当時のアメリカでは未公開の上黙殺(「所詮はイギリス人の話、だろ?元々奴らはホモっぽいし。」e.t.c.)、日本に至っては未だ国内ソフトすら出ていない状況です。 意識的に煽情的に為らない様に撮られて居る為、前記歴史的価値を重んじる方とボガードのファン以外には退屈に観えるかもしれません。
本DVDは詳細な解説書と共に、ボガードへのインタビューが約20分収録されていますが、英語字幕が無い為、英語力不如意の私には辛かったです。英国からの輸入盤は信号形式(PAL)、米国からの物はリージョンコード(1)にご注意を。
一刻も早い日本盤の発売を望みます。
近時、ようやく犯罪被害者支援についての社会的理解が進んだが、その問題を10年前から扱ってきた弁護士としては、この本は、先進国の状況を知らせる貴重な資料である。 ぜひとも多くの法律実務家に呼んで欲しいと思う。学生さんもね。
やっぱり、時代的に古いので、ポケットベルが出てくると、違和感があるけど、安いから。シーズンが増すごとに、ドラマとしての出来はとっても良くなる。最初の、人間味のある劇から、最近のCSIのようなドラマ作りへの変わっていく、そんな変化の兆しを見ていくのもなかなか興味深い見かただと思う。特にシーズン3あたりの心理的な解読の話は感動する。
坂本龍一とやった初期?のころからのベストです。見事なリマスタリングでRED GUITARの坂本のピアノが飛び出るようでした。 どうせ坂本とのコラボを入れるなら、ZERO LANDMINEやWORLD CITIZENを入れて欲しかったです。 しかし全体的には良くできていて75分を2枚聴くのはつらいですがコレクションで持っていてもいいかもね。
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