私はVoi.1はタランティーノ監督の日本文化へのオマージュと捉えたい。日本が主な舞台だから当然といえば当然だし、ブルース・リーの死亡遊戯へのオマージュを感じさせる部分もあるが、全体として、監督の日本の任侠映画(その様式美も含めて)への愛、日本アニメのクオリティへのただらならぬ関心を私は感じる。手足の長いユマ・サーマンが日本刀を振り回すのは様になってるし、シルエットでの殺陣のシーンはまるでフレッド・アステアのダンス映画の一場面のようではないか。バイクでの追跡シーンはブラック・レインを思い出させる。100年前、ジャポニズムが印象派に影響を与えたように、今、クール・ジャパンが本作に多大な影響を及ぼしたことを我々は誇りに思ってよいと考える。Vol.2は日本文化から離れ、他の文化へのオマージュを披露してくれるので、血しぶきが飛ぶ場面に抵抗なく本作を楽しめた人は、是非Voi.2も観てください。最後に、飛行機の中に日本刀を持ち込んでいる場面は笑えますね。
悪の武術家タイ・ランに狙われる村。一方、冴えないカンフーオタクのパンダ(ポー)。 オタクゆえ伝説のドラゴン・ウォーリアーを決める会場に闖入、なぜか選ばれることになる。 当然、カンフーはまるでダメ・精神的にも未熟で仲間に冷たくされるポーだったが、 食い意地を発揮する場面では並外れた動きをする。 老師の遺したドラゴン・ウォーリアーの秘伝とメタボ特有の動きは、 タイ・ランに通用するのか?というのがあらすじ。
まずジョークが基本的にアメリカンなのでその辺が駄目な人は辛いかもしれない。 数日特訓したパンダがなぜこんなに強くなれるのか、とか考えてもいけない。 ガチョウの息子がパンダで、カマキリがつり橋を支えたりする! ココをまじめに捉えてもいけない(ギャグですから)。
言ってみれば、ドリームワークス版「ドラゴンボール」みたいなものです。 戦闘でクレーターができたり、落ちてくる石を駆け上ったり、 こういう古典的な場面を新しく魅せることに成功しています。
予告版をみて素直に笑えた人は通して観ても楽しめる映画だと思います。
これを見る人をパターンでわけると、 1.タランティーノの遊びがわかったうえで楽しめる人 2.タランティーノの遊びだとは知らなくても楽しめる人 3.タランティーノの遊びだとわかったうえで楽しくない人 4.タランティーノの遊びだとは知らないし楽しくもない人 の4つになると思います。 例として、 「日本の飛行機は座席に日本刀をたてておく場所がある」 というシーンにおいて 「何遊んでんだかタランティーノは。相変わらず面白いな」が1の人。 「ありえない! でも面白い」が2の人。 「タランティーノはわかってやってるだろうけど、外国人が誤解するじゃん、やめてよ」が3の人。 「この人も日本を勘違いした監督だ、いやんなっちゃう」が4の人。 当然ですが、おすす!めするのは1の人と2の人です。 そういう人にはストーリーやアクション以外にも楽しめる要素てんこもりだと思います。 あ、ただ確かに流血はすごいので、ダメな方は避けた方がいいです。
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