2作目の「ボーン・スプレマシー」を見た時、1作目の「ボーン・アイデンティティ」を上回る出来に興奮し、3作目の本作の監督が2作目に引き続きポール・グリーングラスになったと聞き期待して公開を待った。そして結果は見事なアクション映画の傑作の誕生だった。 ノンストップ・アクションとはこのことをいう。とにかく最初から見せ場のつるべうちで、観客を全く飽きさせないスピーディな展開、そして陰ある悩める暗殺者の苦悩とハード・アクションを演じきるマット・デイモンの演技(と体技)の素晴らしさ。この作品をみると「オーシャンズ13」は豪華なお遊びにしか見えなくなってしまう。 格闘やカーチェイスを主体にしているので、CGがなかった時代の様々な傑作アクション映画(スティーブ・マックィーンの「ブリット」など)を彷彿させ、CG全盛の今の映画界でこれだけ体を使った正統派アクションを作ろうとするスタッフ・キャストの心意気が素晴らしい。もちろん補助的にはCGも使ってはいるのだろうが、あの「ダイ・ハード4.0」でさえCGが露骨にわかる場面が多々あったことを考えると、アクション映画としてこの映画を上回る出来の作品は当分は出ないであろう。 シリーズが3作で終わってしまうのが惜しまれる。
映画を思い出すよう臨場感がたっぷりでとても聞き入る作品です。他のシリーズも買いかも
スプレマシーの時は、アイデンティティーからのリズム感と重厚さの進化に驚いたが、 このサウンドトラックはそれに輪をかけてすごい! やはり特筆すべきはタンジールでのフットチェイス時に使用された「TANGIERS」。 スプレマシーの楽曲のアレンジなんだが、それとは比べ物にならない。 重厚さと異国情緒が合わさって、曲だけでも恐ろしい緊張感である。 他にも、ウォータールー駅でのシーンで使用された「WATERLOO」、 前作のゴアでの生活の時に使用された楽曲をアレンジした、哀愁漂う「THINKING OF MARIE」、 鑑賞後のカタルシスを嫌でも高める「EXTREME WAYS (BOURNE'S ULTIMATUM)」等、 街中で聞けば、早足で人ごみの中に紛れこみたくなる楽曲が満載。 ボーンシリーズ最後にして最高傑作である「ボーン・アルティメイタム」を彩るに相応しい出来である。
面白すぎて、どっと疲れてしまう。
映画を観終わった後こんな気持ちにさせられるのは滅多にお目にかかれないのだが、ポール・グリーングラス&マット・デイモンがやってくれました!! 115分、全編に充満する緊迫感、劇中3度に渡ってジェイソン・ボーンとCIAの間で怒涛の如く繰り広げられる追う者と追われる者とのアクション・シークエンスの素晴らしさ、縦横無尽に動き回るカメラ・アイに膨大なカット数、このジャンルの古典的名作「フレンチコネクション」のチェイス・シーンも軽く凌駕してしまうようなシャープでテンポ良く畳み掛ける編集の妙、アクションの流れと正に一体化し、疾走感と緊張感を醸し出す音楽、そしてシリーズお馴染みの生身のスタント・アクションの神技的凄まじさ。 本当に息つく間もなく手に汗握る快作、ハリウッド映画では定石のラヴ・シーンもコミカルなパートもないひたすらハードでクールな研ぎ澄まされた感覚。 デビッド・ストラザーン、アルバート・フィニー、スコット・グレンの悪の枢軸トリオも重厚感があって映画の格を上げている。 エンド・ロールで紹介されるスタントマンの数が延べ180人にも及ぶことに感動しながら、個人的にはジョン・フランケンハイマーの「ブラック・サンデー」級のアクション映画史に残る大傑作と言い切りたい。
小西康陽のかっての名言を借りるなら、“まだ観てない人は幸せだ、生きる歓びが待っている”。 必見!!。
つい最近、『ザ・シューター(極大射程)』を観に行きました。作品としては悪くはなかったのだが、どうしても『ボーン・シリーズ』と被ってしまい比較してしまいました。
まずは『アイデンティティー』でジェイソンボーン扮するマットデイモンの演技力に衝撃を受け、『スプレマシー』では愛するマリーを失いながらも決して復讐のためではなく寡黙に一人で立ち向かうジェイソン・ボーンとそれと同時に流れる音楽たちに心を揺れ動かされた。
『ザ・シューター』はアクション性を強調したと言えば『ボーンシリーズ』は人間味を強調している様に思える。それに伴うジョンパウエル氏が作り出す音楽はシーン一つ一つにバランスのとれた安定感と緊張感を同時に使い分けるのが非常にうまい。
そして、今作で第3弾となる『bourne ultimatum』もその疾走感あふれる音楽が耳に残ります。公式サイトでも既に予告編による音楽がちらっと紹介されていますが、今回もさらに気合が入ってます。さらなる『ボーンシリーズ』の進化に期待したいです。
映画を堪能した後は、ジョンパウエル氏が作り出す音楽の世界観に魅了されましょう。
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