他の方のレビューにも書かれている通り3作目のフェデリコ・フェリーニ監督の作品が一番上質でしたが、1作目のロジェ・バディム監督の作品も複雑な女主人公の恋愛感情を実の弟妹ピーター・フォンダ&ジェーン・フォンダが演じていて結構倒錯的でこれが他の俳優か女優ならもっと平坦な作品になっただろうなと思います。2作目のアラン・ドロンが主人公の作品も静かだけど妙に迫力を感じる作品でした。見る価値ありです。
画質は以前とほとんど変わらない。 当時の日本語吹き替えがない。 値段は1000円で購入出来た時があったが、今この値段でも購入したいと思う気持ちを持つ人がいるのだろうか? 3つのエピソードはとてもいい出来上がりだと思う。 この映画の数年後に日活ロマンポルノというものが出来たらしいが、そのシナリオは3つのセックス描写させあれば何でもありだったという。 休日前夜に一人、または恋人と一緒に見るのが最高かも。 他のレビュアーが仰る通り、3作目から2作目あたりを先にオススメしたい。
『黒馬の哭く館』では、当時の夫君ロジェ・バディム監督ならではの演出によって、ジェーン・フォンダが全編、「バーバレラ」とはまた違った趣きのセクシーな衣装で登場。特に、白装束を纏った彼女が黒馬にまたがって草原を疾駆する姿は、容易にレディ・ゴダイバの伝説を想起させる。
とはいえ、城の若き独裁者として放埓に振舞うときの眼や、憑り依かれてからのうつろな表情など、恐怖を煽る演技もなかなかのもの。孤立した城内で繰り広げられるオージーは、ポルノ文学の傑作「城の中のイギリス人」の雰囲気を思わせるし、実弟ピーター・フォンダとの共演も禁断の愛を象徴しているかのようだ。全編に通底する音楽や、淡い色彩設計中の赤や黒のモチーフなども怪奇ムードを醸し出す。
『影を殺した男』はポーの原作中でもよく知られるものだが、ウィリアム・ウィルソンの冷酷な残虐性が、ルイ・マル監督だけにスタイリッシュかつ緊迫感漲る名シーンの数々に昇華されている。中でも、捕まえた女性を全裸にして人体解剖しようとする場面、ブリジット・バルドーと夜通し繰り広げるカード・ゲーム、そしてその敗者の側に与えれられる罰。
当時エログロという言葉が流行っていたらしいことを思い出したが、このような神をも恐れぬ行為の芸術的描写を、現在の映画に観ることはもはや不可能だ。
『悪魔の首飾り』では舞台を現代に置き換えて、ドラッグとアルコールに溺れて自滅する人気役者をテレンス・スタンプが熱演する。フェリーニ監督の映像魔術はもともと、目くるめくような表面上の絢爛を描きつつ、その内に潜んだ腐臭を浮かび上がらせるのを得意としていたが、それが遺憾なく発揮されて、観ているこちらまで酩酊状態に陥りそうだ。真夜中にフェラーリを狂ったように延々と走らせるクライマックスも凄まじい。
また、近年の和製ホラーをブレイクさせた「リング」における貞子の原点と思われる描写がここにある。
|