西洋の物語には、この映画のように、世界の滅びを描くものが多いと思う。もちろん日本にもあるが、質も量も違うのではないか。日本のはどちらかというと滅びの美学のようなものだろうし、世界まるごと破滅という設定がきわだつ向こうの物語には、やはりキリスト教的な考え方、終末論が反映しているように思う。
この映画も、個人的には満足したとはいえ、日本人一般に受け入れやすいとは考えにくい。コーマック・マッカーシー(わりに近いところでは『ノーカントリー』が映画化された)による小説の原作は、内容はさほど変わらないと思われるのに、2007年度のピューリッツァー賞を受賞し、ベストセラーになったというのだが、受賞はともかく、ベストセラーというのは不思議な気がする。
世界が滅びかかっている近未来の設定で、そこでいかに生き抜くか、というテーマである。破滅の理由は明らかにされないが、木々が次々に倒れているところをみると、環境、エコの問題だろうか。青空はなく、世界は(画面も)ひたすら暗い。
滅びの原因が明らかにされないということは、焦点は原因に関わるもの、たとえば環境を大事にせよ、といったことよりも、絶望的な状況での在り方、ということになるのだろう。母親は絶望を受け入れたが、父は子(10歳ぐらいか)を連れて生きるために戦い続けることを選んだ。とにかく食べ物がない。食べ物を求めてひたすら南へ、海へと向かうが、あてがあるわけでもない。生き残った人間の間では、食べ物としての人間狩りすら始まっている。2発の銃弾を二人の自殺用に残してある状況なのだ。
こうした苛酷な戦いと、そこで支えあう親子に共感できるか、あるいはその重さを敬遠するかで、見る側の反応は分かれるように思う。
あるいは一つ見方をずらして、アメリカの精神を考えるケーススタディのような捉えられるかもしれない。まず終末への危機感があって、それがこのような作品を生み出すのだろうが、そこでとにかく生きようとする意志や父子の絆へのこだわりは、まさにアメリカのものではないかという気がする。結局、生きる戦いと絆だけがテーマで、それで十分かとも思うが、日本で生まれる物語ではないように思った。
テレビで流れ、懐かしいね、欲しいなといわれ注文、奥様はほぼ毎日のように 通勤車で聞いているようです。 自分も一度聞きましたが、青春時代を思い出しました。
01.INTRODUCTIONS 02.HIDEAWAY 03.LONESOME TRAVELLER BLUES 04.BLUES WITH A FEELING 05.YOU GOT GOOD BUSINESS 06.GREEN ONIONS 07.24/7 BLUES 08.BABY PLEASE DON'T GO 09.THE MONEY DOESN'T MATTER 10.STRANGE BREW 11.DALLERS 12.I JUST WANNA MAKE LOVE TO YOU 13.YOU NEED LOVE 14.THE HOOCHE COOCHIE MAN 15.NEW OLD LADY BLUES 16.WHO'S BEEN TALKIN' 17.SIX STRINGS DOWN 18.DUST MY LOOM 19.BACK AT CHICKIN SHACK 20.WHEN A BLINDMAN CRIES 21.12 BAR BLOW JAM ジョン・ロード健在!を印象付ける一作。一度は聞いたことのあるブルーズの名曲集を次々と、地味ながら名手のミュージシャン達 B: BOB DAISLEY G/Vo:TIM GAZE Dr:ROB GROSSER HARMONICA:JIM CONWAY と演奏する1枚。 演奏も最高だけど、DTSの録音もうれしい。 老ミュージシャンの懐古作と侮るなかれ。むしろ、パープル時代の晩年こそ、決まりきった曲を決まりきったアレンジで弾きつづけ、ジョン・ロードも「お仕事」な演奏をしていなかったか?(スティーブ・モーズ時代の初期を除いて) 新しいミュージシャン(たぶんベテランだと思うけど..)をバックに従えて、溌剌とソロを弾くばかりかMCまで取るジョン・ロードは新鮮。ジョン・ロードの個性のせいかオルガンとハーモニカが目立つ演奏は「ねちっこさ」がなくて軽快。 Voは上手いけど軽いのが残念...と思っていたら、GUESTのJIMMY BARNESが素晴らしいシンガーで、彼の歌うHOOCHIE COOHIE MANがアルバムのハイライト。 ファンのみならず、Gary mooreのブルーズアルバムや、クラプトンの数枚が好きな人もぜひ。
ジョン・ロードがWHITESNAKE時代に出したソロ作品だが、意外にもバラエティに富んだ作品が並ぶ。アナログB面にあたる部分は特に美しい楽曲が並び、6.Say It's All Rightなどはエモーショナルでソウルフルな女性ヴォーカルが心の底まで染みてくる。こういう音楽性が根底にあるからこそ、どんなキーボードプレイも様になるのだろう。
もちろんロックの本領を発揮した名曲もあり、2.Tender Babesでは、コージー・パウエルがど肝を抜く強烈なドラミングを聴かせる。コージーの数あるプレイの中でもベストに入る隠れ名曲。 そして最大の目玉が4.Bach Onto This。バッハのトッカータとフーガニ短調をアレンジしたハードロック色全開の作品だが、とにかくカッコいい。ジョンのオルガンプレイもPURPLE時代の絶頂期を彷彿とさせるもので、彼のハードロック・キーボーディストとしての集大成とも言うべき名演だ。
とにかく、ジョン・ロードのコンポーザーとしての実力を堪能できる。聴いた後に、いい音楽を味わえた充実感が心地よい。
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