外交官である織田裕二が、イタリアで起こった
日本人少女誘拐事件に巻き込まれていく話。
ほぼ全編がイタリアの映像であり、その景観が十分に味わえるのがウリ。
とっつきの悪い性格の主人公が咄嗟の判断で行った行動により、
誘拐事件に対応せざるを得なくなる展開や
鋭い推理で徐々に事件の真相に近づいていくところは面白い。
至るところにある監視カメラ自体が物語に深く関わるアイデアも良い。
残念なのは「銃」が出てきたあたりから急に無茶な流れになるところ。
それまで綿密であった犯人側の計画なのに、
そこだけがあまりにも行き当たりばったりというか、
不確実な要素になっているのが不自然すぎるし、
以降の主人公の行動もあまりに無茶すぎる。
事件を速やかに解決するなら、なおのこと警察に頼る方がいいはず。
事件の全貌が見えてくるあたりまではなかなか盛り上がっただけに
終盤の失速加減は非常に残念。
練りに練った大掛かりのトリックだったのに
犯人たちもそれで納得できるのか?と疑問だった。
「はやぶさ」は本作(20世紀フォックス×角川)と東映版、松竹版の三作競作となった。 近年の日本映画界では非常に珍しいことだ。 逆に、日本では最大手企業となる東宝が手を出さなかったのが不思議なくらいである。
まあ「やったもん勝ち」というか(笑)、一番先に製作した分、本作の出来栄えは良い。 メイキングを観ると、クランクインは東日本大震災から間もない4月12日だ。 まだ大きめの余震が連発している日活スタジオで撮影するのは、結構大変な作業だったと思う。
竹内結子演じる水沢は架空の人物で、彼女を語り部にしているのが本作の良いところだ。 JAXAをメインにすると「アルマゲドン」のような熱いドラマにすることも可能だが、 何か飄々としているのは、タケウチの魅力に拠るところが大きい。 高島政宏とのコンビは「ストロベリーナイト」とは打って変わった環境だが、全く違和感 がないのもさすが「役者」だと思わせる。
宇宙への夢、みたいな話が主軸かと思いきや、漁協との交渉やら居酒屋での飲み会やら 願掛けのお札まで、ものすごく「和」な雰囲気なのもポイントが高い。 まあ全て事実だから仕方ないが(笑)、日本人の「誇り」も感じさせてくれた。
特典ディスクもテンコ盛りの内容だが、特に的川先生の講演会を収録した特典が面白い。 的川氏の人柄が滲み出る1時間以上の講演内容は、これだけで購入の価値がある。 その他JAXA相模原キャンパスの紹介とか(はやぶさの偉業と神奈川県がこれだけ 深い関係なのも初めて知った)、普通の映画ソフト特典とは違う魅力がある。 総合点として4つ星です。
子供が大喜びで満足です。 他にもたくさん買いたいとおもっています。
日本の特撮ものは海外作品と比べてチープなところがあるだけに、作品に対する真摯な情熱が映像に焼きついていなければなりません。 それはコメディであっても同じです。 人を笑わせようとする者が、自分のギャグに自分でウケていたら、観るものはドン引き必至です。
『イカでビール』など言語道断です。
その点この『ゲハラ』は、(裏でニヤニヤしている様は伺えますが)いい大人が本気になって作品に向き合っています。
本篇20分に映像特典が80分、しかもその本篇で最も力が入っているのは、ありもしない次回作の予告篇(笑)。
かつての『八岐之大蛇』を思い起こさせる、懐古のみに陥らない手作りの魅力があります。
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