『シャーロック・ホームズの思い出』(The Memoirs of Sherlock Holmes)収録の作品で、原題は、The Stock-broker's Clerk、です。 ただ、三上於菟吉氏訳のホームズの電子書籍はどれも大抵そうですが、「豪傑訳」(英文が十分に理解できなくても、エイヤ、と強引に訳してしまう翻訳)の香りがします。 また、1930年ごろの訳なので、相当に文章が古めかしいです。
例えば、誤訳として、この話の冒頭の箇所で三上訳では、「私はパッディングトン区にお得意づきの医院を買った。私はその医院を老ハルクハー氏から買ったのであるが、老ハルクハー氏は一時はかなり手広く患者をとっていたのであった。しかし寄る年波とセント・ビタス・ダンスをする習慣があったためすっかりからだを悪くしたので、だんだんお客をなくして淋れてしまった。」とあります。
しかし、定評のある延原謙氏の新潮文庫の訳では、「私はパディントン区に医者の株を買った。私にそこを譲ったファークァー老は、ひところは内科一般で盛大にやっていたのだが、何分よる年波であり、持病の舞踏病が思わしくないので、患者がめっきり減ってしまった」とあります。
原文(英文)を確認したことろ、延原氏の訳が正しいと私は思います。 三上氏の訳は相当に強引な訳です。他にも似たような箇所がありました。 文章の洗練度という意味でも、延原氏の訳の方がよいと思います。
ストーリーは星5つですが、翻訳面では星1つなので、間をとって、星3つにいたします。
きれいですね。長谷川和夫もよかったけれど、こちらもようござります。良くも悪くも「東映時代劇」ですから、チャンバラが見せ場なのかも知れません。 橋蔵の殺陣は、腰が少しあとから来ます。これって、日本舞踊の女形独特の動作ですから、「音羽屋!」って思いながら観るのも楽しいですね。
江戸時代初期、豊臣と徳川のハザマにおとされて 数奇な運命をたどった千姫を美空ひばりが演じています。 少しだけですが錦之助との競演も目玉。 さらに若かりしころの高倉健も出演しており ひばりに鞭打たれるというサディスティックなシーンも出色。
個人的な印象ですが 美空ひばりは明るくはつらつとしたイメージなので 哀しい翳を背負った役は物足りなく思いました。
敵討ちの大望を秘めた女形雪之丞が艶やかに狡猾に、敵である元長崎奉行達に迫っていくストーリーは、
時代小説の設定ではありがちかもしれませんが、この話は他の登場人物たちが活きています。
深く感動したり、じっくり考えさせられたり、ということは無い話です。ただ、読み終わったときに「あぁ、面白かった」と言えるキャラを活かしたストーリー。
それに「何か読み物を…」と思ったときに思わず手が出てしまう読みやすさ。
上下巻の2冊ですが、あっという間に読めます。
手軽で面白い時代小説をお探しの方は是非どうぞ。
あるラジオで聞いていて面白そうだったので読んでみました。私個人的に言葉が難しいところがあり、読みにくい部分もありましたが、話の内容はその時代の日本橋周辺の事柄を、綴ったものでとても面白かったです。しかし、ここではいくつかの章によってコンテンツが別れてしまっているので残念です。
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