日本の量子力学の書籍は、おなじような記述だったり、構成がなされているのですが、この本は少し違います。
初学者が習得すべき事柄は、まずトンネル効果だったり、波動関数の一次結合だったりするのですがそういう事柄の基礎的な事柄(もっとそれらを学ぶために必要な事柄)はどうしてもはっしょっている書籍が(日本では)大変多い気がします。
この本では、しっかりとCHAPTERごとに区切って親切に説明してくれており、構成も無駄なく(まだ本書で習っていないことが先先説明なしに出てくることはまずない)できているため、コツコツやれば息切れしなくてすみます。練習問題も付いていて、答えはネットで探せばあります。難易度に関して問題はレベル分けされていて、星*ひとつのものさえ(間違えながらも)解いていけば無理なく進められます。
目次をごらんになられたらわかりますように、PART1 と PART2 にわかれていますが、あまり気にしないで良いかも。私は、CHAPTER5をひとまず飛ばして、APPRICATIONの理論をさらっと読み、そのあとじっくり応用を読み返したりしています。(筆者はPREFACEでCHAPTER2のあとCHAPTER6にいってもよいと書いてあります。)
日本の方のレビューで高評価が付いている書籍、人に絶賛されている書籍で自分にあわなければ洋書に逃げるのも一つの手です。ほんとに個性的ですし。。訳書が出てても、洋書の方が読みやすい。。この本は量子力学の逃げ道としては最適な道なのです。洋書なんて慣れればすぐです。日本の本より断然良い本ありますし、問題+解答がついてたりするものも多いですし。。(この本はありません。ネットで探せばあります)
たとえば、量子力学とはなんだろうか?ということに関してすぐに量子力学を学びたい方はPrinciples of Quantum Mechanicsを読んでみるのも一つの手ですね。
Griffithの量子力学の本(今レビューしている本)に戻りますが―最低限のことはかなり載ってます。ですから、ブラケット記号の前にこの本を読んでいるとかなりいいかもしれません。ただ、ちょっと物足りない感じがありますので、次はModern Quantum Mechanicsを読んでみたりするのもいいかも。問題は結構院試とつながってますので普通に教科書として使えますね。私もそのつもりです。
参考になれば光栄です。
一般教養向けに素粒子物理学の本は海外ものを含め多数出版され読んできたが、わかりやすさという点では本書は秀逸。わかりやすさといっても素粒子物理学が分かるわけでもなく、説明されている事が理解できる訳ではない。そもそも理系学問の中でも最先端の分野がそう簡単に説明できるわけはない。本書が優れているのは、何が分からなくて学者が研究しているのか、宇宙を構成するものがどの様な過程でどの程度まで解明されてきているのかを、一般人にもイメージしやすくわかりやすい文章で記述している事。非常に難しい事を難しい数学を使用して説明するのは専門家には簡単であるの対し、数学を使わず日常的な文章で説明するのは大変な苦労があったと思う。 よくわからない面白さを与えてくれる良書だと思う。わからなければ面白くないではなく、わからないから面白いという好奇心をもつ事が大切だと教えてくれる。。
表題は「鍛え方」であり読書により頭脳を鍛えよという本である。選ばれた本は、(私にとっては)70%くらいが「有名本」(読んでいるというわけではない)であり、残りの30%が参考になった。
本書は思想、特に共産・社会主義関連にウェイトが置かれており、その方面が特に充実している。
# 本筋ではないが、立花氏(佐藤氏だったかな?)が「本の紹介本はロクなものがな
い」と述べている点が、自己矛盾していて面白かった(微苦笑)
初版出版から70年が経ったこのDiracの量子力学であるが、今でも最もすばらしい量子力学のテキストといえよう。特に表示の簡潔さ、力学系に対する哲学感などはこれを超えるものはないだろう。どの章もすばらしいのであるが、特に11章の相対論的電子論は物理に携わるすべての人に読んでほしい。波動方程式のLorentz共変性やハミルトニアンの1階微分の要請からスピンの存在が導かれる歴史的瞬間を味わえるのは、この上ない学問的至福といえよう。星5個では足りない、物理学の本の中では最もすばらしい本と信じる。 ちなみに副読本としてはJ.J.SakuraiのModern Quantum Mechanics をお勧めする。同じようにブラケット表示を採用し、Diracに欠けている量子力学の現代的視点が把握できるからである。
本著はランダウ亡き後にランダウの精神を受け継いで書かれたものであるが、量子電磁力学(QED)は、 60年代後半に大きく変り、本書も確立された量子電磁力学(QED)以外の記述を除いたものであり、 ランダウのなした仕事が盛り込まれているが、今や、特色なき教科書でしかない。これは、以前 「相対論的量子力学1,2」として翻訳本が東京図書から出版されたが、これで、 勉強なさった方はこの翻訳書から、時代遅れの部分、ハドロンの力学対称性、弱い相互作用が削除され たものが、本書である。今や、QEDのみを勉強する学生はあまりいないだろう。 場の量子論として大きく進歩したゲージ場の理論を学習するのが普通であり教科書は数え切れない程ある。 QEDのみを必要とされる方にも、この本はあまりお薦めしない、他に多くの良著がある。
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