『ふぞろいの林檎たち』最終シリーズである。今後〈5〉が作られることはもうあるまい。いよいよ終わりかあ、と、そんな感慨をもって本書を読んだ。ドラマの方は見ていない。
〈4〉の特色は大きく2つあるように思う。1つは、新しく2人の若者(克彦と美保)が出てくること。良雄、健一、陽子、実らおなじみの面々をつなぐ存在として、彼らは大事な役割を果たす。ビルドゥングスロマン的な視点を取り入れることで、物語に新しい風が吹いている。何より作者の山田太一自身が少しマンネリを感じていて、その弊を回避したかったのではないか。
もう1つは、良雄の母・愛子が隠れた主役になっていること。さらに実の母・知子も、決して出番が多いわけではないけれど、重要なポジションを担わされているように感じた。後半、2人のやりとりでグッとくるシーンがいくつもあるし、もしかしたらこれが最も肝ではないかとさえ読めた。もちろん大きなハイライトは別に用意されていて、それはそれで読み応えがあるのだが、僕は静かな老女たちの会話にこそ心を動かされた。
ドラマを見ていないくせに、「活字で」本シリーズを制覇した僕は、珍しいファンかもしれない。ドラマを見てみたい気もあるが、是が非でも見たいというような情熱はない。僕にとって『ふぞろいの林檎たち』は、すでに「活字で」完結しているからだ。
サザンオールスターズの曲が使用され、放映当時絶賛された山田太一さん脚本のTVドラマです。 時間が経って改めてみますと、サザンの歌同様作品自体も新鮮に感じられました。 就職活動のエピソードが加わってくるのですが、大学生の視点で捉えられていて懐かしさすら感じてしまいます。 卒業をなさって、今社会人となっている人が見ればきっとそう思うのではないかと思います。 実社会の重みや澱みがわからない大学4年生の頃の自分の言った言葉を思いだすかもしれませんし、高橋ひとみさんに心を乱される中井貴一さんにいつかの自分をみつけるかもしれませんよ。 本当に素晴らしい作品です。
おおげさに聞こえると思うが、私にとっては、この世にあるすべての演劇作品の中で1番。 どんなに名作と言われる映画を見ても、これほどの感動を味わったことはない。 私の体の半分以上は、このドラマでできているといってもいいくらい暗記するほど見た。 脚本、演出、音楽すべて最高。 1よりも2の方がおもしろい。 主役の中井貴一氏は、この時23歳。演技うますぎ。当然のごとく現在、日本を代表する俳優になりました。 放送は85年。当時こんなにレベルの高いドラマが放送されていたなんて信じられない。 1話完結のお子様ドラマがあふれている昨今、もう民放では絶対に作られないドラマでしょう
ふぞろいの林檎たち。 なんてすてきなタイトルでしょう! このタイトルとサザンの「いとしのエリー」がまさにぴったりです。 テレビドラマはもちろん映像化された作品で楽しむ物ですが、一度見た作品をシナリオで読むのもなかなかいいものです。読み進めるうちに中井貴一、石原真理子、柳沢真吾などの俳優たちが頭の中で動き出すのです。サザンの歌が聞こえてくるのです。シナリオを読む楽しさは、読む側が演出家になった気分で読めることです。 みなさんもシナリオ読書をはじめてみませんか?
とがっている大学生と看護学生、何とも言えない組み合わせですが、何となくほのぼのとしていて好きなドラマです。このドラマが流行ったのももう25年以上前。サザンの曲が心に沁みます。改めて見てみるととてもいい時代だったのかなと思います。手塚理美さん、石原真理子さん、とてもかわいいです。
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