森さんは本当に心の機微を表現するのが上手いと私は感じます。 台詞回しだけでなく、それらを語る時の表情や合間の仕草、 そういったものがすごく素直に心に入ってくるように思います。
自分が特に印象に残ったのは、双子の結婚式の話。 『公平とか不公平とか、そういうんじゃないだろ…』 というくだりで、具体的な解は示されていないのですが、 その後の、新婦達は踊り出し、新郎達は合わせて歌ってしまう、 そんな場面で、あぁ、そういうんじゃないよねぇ…などと すごく感じ入ってしまいました。 作者の意図とは全く違ってるのかも知れませんけどね(苦笑
セリフやストーリーで伝えるだけでなく、それぞれの絵でも 本当に伝わってくるものが有ると感じられます。 それは後半に収録された『日暮歌』でも、とても顕著に。 中央アジアの見知らぬ土地を舞台にしているのに、 厳しさも優しさも、とても身近に感じられるようなこの作品は、 ホントにお勧めです。
メイドブームですからね。 こうした「正統派」メイドものといえども、そのブームにあやかっているのがよく判ります。 一つ一つのオブジェや背景や建物がリアルに丁寧に描かれていていて見入りそうです。 エマって屈託がないんですね。 時代や環境、そのステータスが人を形作っているんじゃないかと思えます。
なんか、この作者の作品って、日本人が書くちょっと違う異人さんってのを感じさせず、(実際にどうかは別にして)ものすごくリアリティを感じます。
キャラクター的には、エマの各キャラクターのような、登場から特徴がはっきりしている・・・というのは感じませんでしたが、まあ、そこが「ほのぼの感」があって良いなあと、ほんわかと思いました。
逆にいえば、遊牧民の話なので展開が難しいとは思いますが、期待が持てる一巻目です。
装丁も立派で、作者のこだわりがエマに劣らずしっかりとしていて、それが作品の土台を構成している気がしました。
お勧めです。
特に、中高生あたりに読んでほしい気がしますね。
小学生には難しいかな・・・
この三巻に一話だけはさまれた市場の回が
読んでいてとても素敵だった。
パリヤの記事が少ないのでパリヤの事を書くけど
タラスのことが絡んで真っ赤になっている所が可愛かった。
廟の話では女の人には言いづらい説明なんだろうな、フムフムと
構えていたら、いや、やっぱり彼女自身免疫がないんじゃないのかなと認識
このツンデレ三つ編み娘は可愛い。
父親によって結婚相手が決められ、それに逆らうことはできない
アリいわく「それに逆らわせるのは可愛そう」だと
という乙嫁語りの描写の中で、自分で探しに行くこの子は
たくましくて好きだ。(もしかしたらその行動も種族のルールを
きちんと踏んでるだけなのかもしれないけど)
スミスを助けにいく若夫婦についていきたがったので
お父さんが数撃ちゃ当たる戦法で送り出したのが
『あれ・・・?いい男が落ちてましたよ・・・・。』/三巻
結婚話は井戸端会議のようにされるなあ・・・と一巻から見てたのを
再度実感。こうやって見知らぬ土地にコミュニティーが築かれていくんだな・・・
お父さんが一番ビックリするだろうな・・・・
↑パリヤのお父さんが、娘は父に絶対服従という空気を少し
緩めてくれるのでありがたいと思う。三巻はお勧めいたします。
この作者さんの他の作品を読んだ方には判ると思います。
欲望(趣味)全開って感じですかね?(褒め言葉)
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