本当に偶然に手にしたこの一冊。 文字も大きく、そして語りかけるように、同じことを反復しながら書き進められていました。 冒頭にも書いてありましたが、心的外傷を受けたその『本人』が本を読む…という行為がいかに難しいことであるか。 ましてや、苦しい、忌まわしい過去と戦うことにもなる中で、「少しずつ読んでください。」「5分読んだら休んで、また少し戻って読んでみてください」と言った読み方のアドバイスは、なんと細かい配慮だろうと感心しました。 本当にその通り。今の私のような状態の人間には、一気に本を読んだり、一気に理解したりは到底無理なのです。 事故の前までは、とっさに判断のついたこと、すぐに記憶できたことが 今は、手のひらから砂がこぼれるように消えていき!ます。 そのこと自体に不安を抱きつつ、『私はこのまま壊れてしまうのか』と 恐怖すら感じている毎日の中で、この一冊は『それは普通のこと。当たり前の現象なんだよ』と励まし、教えてくれました。 文章量・本の厚さ的にも家族にも薦めやすいので、買い足して家族それぞれに読んでもらうつもりです。 『私は今、こういう状態なの』とこの本を読むことできっと理解してくれることでしょう。
強迫性障害に関する、とてもすぐれた実施マニュアルです。
|