Vol.1が、中世ファンタジックかつクラシカルな統制、曲としての最低ラインを保っている中から得体の知れない不気味なものが僅かに零れる程度の乱れを感じさせる曲群であったのに比べると、物語後半の曲を収めたこのディスクでは、音色の一つ一つが時におどろおどろしく重苦しく立ち回り、時に汗と血に塗れて東奔西走することで、聴く者の心臓を抉り出す程に圧倒的な悲壮感に満ちた世界へと私達を誘います。 私はこの曲群を聴いて弦の狂ったヴァイオリンを、皮の緩んだティンパニを、いつまでもそれと気づかずに笑顔で奏で続ける人形達の楽隊を想像しました。実際初めてオーディオに入れて聴いた時は、心臓がキリキリして眩暈と吐き気がする程にその狂気に翻弄されました。 Vol.2のこの制約から逃れ得たのは18番と24番です。未発表の24番はさておいても、18番に関しては、これが狂気から逃れた唯一のエンディング用の曲だから、というわけではありません。 重厚であるにも関わらず虚しさと寂寥感そしてほんの少しの温かさを感じさせる18番と、心臓へ突撃をかけてくるような他の曲群とを聞き比べれば、その差を実感できることと思われます。 気になった曲をあと一曲上げるとするならば、21番。壊れたオルゴール、永遠のループという、他とは異なった狂気のアプローチをとっているように思えました。 最後に。このディスクの最大の魅力は、初対面時には拒否反応を起こす程に濃厚でありながら、何度も聴いている内に心切なくなる「狂気」にあるのだと思います。よく「単調な音楽」と評されるDOD音楽ですが、何度も聴く内に、その繰り返される旋律に生じる僅かな乱れ、歪みに気づき、心を揺さぶられることでしょう。噛めば噛むほど甘くなる米のように、4回5回と聴いている内に感じ取れる旋律の繊細さに酔いしれる、そんな楽曲です。
美麗なイラストの数々を堪能できる設定資料集です。
キャラクターの立ちポーズはもちろん、イメージイラスト、ラフ、線画などを網羅しています。
欲をいえば、一枚絵をもっと大きなサイズで見てみたい。細かい部分までじっくり見たいと思いました。
藤坂公彦さん、絵巧すぎます!
ゲーム本編や、公式(?)の小説版とは少し違ったストーリーが展開されます。 オリジナルキャラも登場し、時々際どい台詞回しもちらほら。 挿し絵を描かれているのがキャラデザの人ではないので、私はちょっと我慢しました。 それでも全体的な流れは変わりませんから、上記を差し引いても読み応えはあります。 興味があるかたは読んでいいかと思われます。 流れの中心にセエレが居るのでセエレ好きの人にも楽しめる作品だと思います。公式を読む前に読んだ方が違和感はない・・かな? 展開が早いのでそこも覚悟して置いた方がいいかも。
ゲームのBGMなのか? ってくらい素晴らしいです。 車の運転している時、本を読んでる時、一人で何もする事がない時‥ いつでもついつい聞いてしまうほどです。 趣味でイラスト等描いるんですが、このサントラ聞きながら描くとすごく気分が乗ってしまいます。 NieR好きなら買って損はないです!!
僭越ながら、初めてレビューなどさせていただきます。
本作を聴いていて感じた事なのですが、ゲームのストーリー・雰囲気を盛り上げて尚 余りある不吉で重苦しいメロディー、かなりの高密度で詰め込まれた音造り、そしてそれらが醸し出す荒涼で寂漠とした空気…そういえばそんな音楽を前にも聴いた事があるような…?
洋楽、とりわけヘヴィメタなんかを聴く人には説明不要かも知れませんがヘヴィメタの一ジャンルでブラック・メタルという音楽があるのですが、それを聴いた時の感覚と、本作の印象がとても近いものがありました。 両ジャンルのリスナーは余り被らないだろうけどブラック・メタル、中でもEMPERORやMAYHEM等を好まれる方にも本作は強力にオススメ出来るんじゃないかと個人的に思っております(って廃盤前に言うべきだったか…)
ちなみに、私が本作の中で一番「そういう風に聴ける」と思った曲は「04第一章地上」と「13第五章地上、一」です
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