近頃聴く機会が少ないオーベールの曲という動機のみで買ったdvdですが、これがなかなか素晴らしい出し物でした。確かに演出は豪華とはいえないけれど、歌い手がそれぞれに良い声をしており特にタイトル・ロールにあたえられたクプレ、エールなどは、高いfまで届く声が要求されます。この難役を決して華のある容姿とはいえないかもしれないフィリップが、好演しています。男声陣も、終幕近くで、少し疲れが見えるとはいえ、良く健闘しました。帝室コンピエーニュ・オペラに喝采をおくります。ちなみに「黒いドミノ」も早く映像化になってほしいのですが・・・。
軽妙なラブサスペンスとでも言いましょうか、ヒッチコックのキャリア上特異な作品です。この作品に対してはG.ケリーの魅力とその後辿ったモナコ公国王妃としての顛末、そして南仏の風光明媚さとE.ヘッドのゴージャスな衣装(今となっては成金趣味的な嫌らしさがほの見えるのが珠にキズ)ばかりが喧伝されて、作品自体への真っ当な評価は少ないです。
実はこの映画は見事な仏vs米の文化論にもなっています。ルビーは元レジスタンスの闘士で宝石泥棒の名手‘CAT’。功成り遂げたなら引退して優雅な余生を送るというカトリック的な人生観を実践しています。元の仲間達も料理人や給仕をやっていて地に足をつけた生活が仄見えるのです。他にも花売りの市場、張り込みの合間に石でサッカーをやっている警官達等々、見事な仏紹介になっています。
対して米国人観光客の母娘は、亡き父親が死ぬまで愚直に営んでいた農地から偶然石油が出て成金になり、金の亡者から逃げるため世界漫遊・有閑の旅をしています。「米国男性は仕事や野球の話題しかしない」という野暮ったさ。母親は「どうせ保険がかかっているから」と宝石盗難にも他人事。娘はB.オーベール演じるフランス娘の翳りと底意地とは全く対照的。臆面もなくルビーと渡り合い、ここぞと言う時には車をぶっ飛ばし、花火を背景にもの凄い誘惑を仕掛けていきます。
この映画が作られた当時、金満ハリウッドは西欧・中東の文化まで自在に扱えると思っていたかのような大作映画を作っていきます。B.オーベールはG.ケリーを評して「お金があるだけじゃない!」と敵愾心を露わにしますが、事件の根本に「世の中は金次第」という感じで尊大に振る舞う米国人への反感があったのではないでしょうか。元々はヒッチコックも英国からハリウッドへ引き抜かれた人でした。米国の在り方にこういった揶揄的視点を持ち得たのもそういう経緯からだと思えます。なかなか一筋縄ではいかない佳作です。
本家の「ベスト・クラシック100」はフェイドアウトや「主要部のみ」が多いが、こちらはフェイドアウトはそれほどない。
いくつかあることはあるが、オペラのコンピだから仕方ないだろう。
演奏や歌は申し分ないので、オペラを気軽に楽しんでみたい人にはいいと思う。
収録曲をよく見ると、主にDisc1,3,5はモーツァルトとイタリアの作曲家、Disc2,4,6はフランスの作曲家とワーグナーという構成になっている。
だから、Disc1,2,3...と聞くとやや違和感があるが、奇数Disc、偶数Discに分けて聞くと、つながりが出てくる。
CDの作成者は、いろんな曲をちりばめる意図でこうしたのだろうが、せめてフランスとワーグナーは分けた方が良かったのではないかと思う。
ジャケットを見ると謎の大怪魚が海の底から
水着の美女を襲う瞬間のようですが予想通り
このようなシーンはありません。
B級映画のお約束『お色気シーンを入れる』も
本編では関係ないところで水着になってくれました。
(決して若くないおばさんなのが残念です)
さて肝心の大怪魚ですが生息地はなんと
せいぜい水深4〜5mの『川』です。
ジョー●みたいな無残な死体発見の導入部から始まり
主人公は現地調査に赴きます。
そしてのんきに暮らすボートハウスの集落が大怪魚に襲われます。
魚が相手なら陸に上がればいいじゃん...それでは
話にならないのでとりあえず何名か犠牲者になります。
死体の造型美をいかに長く見せるかもB級映画のお約束です。
嫌われ者も登場して死亡フラグに一番乗りですが
なかなか死にません。意外性の演出もB級のお約束です。
特筆すべきは主役であるはずの大怪魚が『大きめのマグロ』程度なのです。
ショボイCGも素敵です。
そして危機一髪の後はお約束のラスボスの登場!
ジャケット写真よりは小さいけど程々に強そうです。
しかし予算の関係かあっという間に倒されてしまい
主人公はボートハウスで知り合った女と結ばれめでたしです。
最後のお約束『続編への布石を残す』もあり
ここで生き残った嫌われ者を処刑です。
平凡なB級脚本ですが真面目に作っているので好感が持てました。
B級SFホラー好きの人にお勧めですがそれほど面白い訳でもありません。
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