最初見たとき、 内容は口語訳されていないので、 「わかり難いんじゃないかな?」 と思ったが、その心配はない。
絵で見せることが、 これほどわかりやすい説明となることに、 ある意味感激した。
続編もきたいしたい。
あんまりカバーの絵が印象的なもので、つい買ってしまいました。
そしたらめちゃくちゃ当たりでした!すげー良かったです。
昨今、とくに少年誌、青年誌の腐れマンガの数々にうんざりしてましたが、
『本物』のマンガを書く人、ちゃんといるじゃないの!
「ほのぼの」とか「コミカル」とか言いつつ、実はものすごく深くて鋭いテーマを突きつけられた気がしてます。とても基本的で、だからこそ難しい「夫婦」「男と女の暮らし」の妙が、笑いの中に隠されているようなマンガです。「暮らしをわかちあう」というのがどういうことか、誰かを愛しいと思うのはどんな時か、ふっと思い出させてくれます。
男としては、女にだらしない夫の荘介が徐々にヒロイン・道に惹かれていく過程がいじらしくて好きです。夫婦なのに、恋してるんだよ。すごいよね。
そして、道の「女」の部分が垣間見れる雨の日のエピソード『けんか傘』。
ぞくぞくするくらい、いいです。
一話ごとにいろんな実験的なことをやってるので一冊の本としての統一感はイマイチ(というか全然)ないですが、そんなことをものともしない絵の素晴らしさと演出と素朴な台詞に心打たれました。
その年に発行になったマンガの中から、アンケートでベスト作品を選んだ一冊。
同様のコンセプトの本は他社からも出ていますが、フリースタイルのものは、
選者が大人で、作品だけでなく、「マンガ出版」という視点からも選ばれていることが特長。
さらに作家インタビュー、選者の座談会とマンガ業界裏話を知ることができ、
さらに選ばれた上位のマンガの第1話(じゃないものもありますが)が掲載されているので、
まさにその年のマンガを知ることができる貴重な一冊といえます。
この号は、いしかわじゅんさんが「のだめカンタービレ」を完結させた二宮知子さんにインタビューしており、
長いこと二宮さんの作品を読んでいた人間にとっては、なかなか興味深いものがありました。
戦時中の広島、呉を描いた物語の最終巻。
絵柄のあたたかさに救われているが、ここに描かれているのは凄絶な世界。
右手首を失いつつ、原爆投下後の家族の安否を確かめようと、足手まといにならないように髪を切ってまで広島に行こうとするすずに、思わず涙が出た。すべてを経て、すずが周作に言った言葉にまた泣いた。
でも、ここに生きる人は、現状の大変さをこばしつつ、生きて生活していくことへの意欲を
忘れていない。あたたかい絵柄の中に描かれる、この凄絶な時代を生きる人たちの精神的な
たくましさに勇気づけられた。
>こうの史代様
この作品を描いていただいて、本当にありがとうございました。
平凡社のホームページで、こうの氏が連載しているエッセイを見つけたが、最新号には本人が戦争作品を描くときに感じたことが書かれていた。直接体験しなかった重大な事実に個人としてどう向き合うかという点について、この上ない誠実さが表れていた。
こうの氏は資料や他人から丹念に事実を集め、戦時下の生活を追体験していった。その結果がこの漫画である。漫画ならではの仕掛けも随所に隠れているから、読み返すたびに楽しめる(中巻の冒頭の径子さんの着物が「小姑」柄だということに最近やっと気付いた)。しかしそれ以上に、作者の誠実な人柄に触れることができるのがうれしい。
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