ミッチー&平山あやの主演に加え 女性ゲストに中越典子、杏さゆり、岡本綾など 結構豪華な顔ぶれです。 ストーリーは民俗学者が、巻き込まれた事件を 解決するというお約束の展開なので、 事件がフィールドワーク先ということもあり 日本の田舎を舞台とした物語が多く、 TRICKにも似た雰囲気を感じることが出来ます。 都市ではなく、地方の自然や民家・島 を舞台にしたサスペンスが好きな人には たまらない作品だと思います。
単純な物語ほど奥が深いのかも知れません。 グリム童話についての本格的な読解となると 海外のユング派の研究者による本の方が詳しい のですが、本書は日本昔話も含めて「取っ掛かり 程度」の入門書として読める本です。 (河合氏の特徴なのか話が頻繁に横道に 逸れますので、その点で読みにくいと 感じる方も多いかも・・・)
倉橋由美子「大人のための残酷童話」のようなものと 読み比べてみると、大人のメンタリティや自我よりも 「性を包み込んで更に大きく広がる」部分が人間の 深層に内在している叡智(集合無意識の持つ智慧?)とリンクした いわゆる「普遍的なコドモゴコロ(童心)・アーキタイプとしての 幼児」なのかしら、と言った印象も受けます。逆に人間が一般的に 愚かなのは性的な部分を過度に重視してに引きずり回されて しまうからなのか、とも思ってしまいます。
子供向けと思いきや、大人がよんで改めて人生について考えさせられる本だと思います。
ことわざを五味さんのかわいらしい絵で、例題(例えばこういうことだよ!)を添えてわかりやすく描かれています。またコレが面白くて、読んでて「そうそう」なんて何度うなずいたかわかりません。
私は良く癒し本として、友人に上下巻セットで送ります。
今の年代だからこそ、奥深く読み解ける本だと思います。
「民俗学」が入ったタイトルの本を初めて読みましたが、 身近なお正月やお盆の成り立ちを知ることで、民俗学への興味が高まりました。 普段何気なくやっていることもちゃんと意味があるんだなーと。
旅行に行くときも、その土地の文化や建物、街や農村など、 今まで気に留めていなかった、その土地の生活全般を見る、 という新しい旅の楽しみ方も教えてもらった気がします。
ただ、生活、祭り、器具という、ジャンルごとに順に語られているのではなく それぞれの時候の行事等の由来を解説していくのですが、 その章ごとに少しずつ宗教や民間伝承について触れていくというスタイルなので、 体系的に学びたいというタイプの人(そういう人はそもそも専門書を読むんでしょうけど…)には、 向いていないかもしれません。
第1章 老人ホームは民俗学の宝庫 「テーマなき聞き書き」の喜び 老人ホームで出会った「忘れられた日本人」 女の生き方
第2章 カラダの記憶 身体に刻み込まれた記憶 トイレ介助が面白い
第3章 民俗学が認知症と出会う とことんつきあい、とことん記録する 散りばめられた言葉を紡ぐ 同じ問いの繰り返し 幻覚と昔話
第4章 語りの森へ 「回想法ではない」といわなければならない訳 人生のターミナルケアとしての聞き書き 生きた証を継承するー「思い出の記」 喪失の語りーそしてわたしも語りの海にのみ込まれていく
終章 「驚けない」現実と「驚き続ける」ことの意味 驚き続けること 驚きは利用者と対等に付き合うための始まりだ
生き地獄。 デイサービスの利用者から、ぽつんと洩れた言葉。 著者は、話を聞くことによって、現在を穏やかに生きる 意欲を持ってくれるようにお手伝いができないだろうか思ったそうです。
介護の現場を民俗学というレンズを通して観てみると そこに在ったのは、驚きの世界。語りの豊穣の森だったわけです。
電線を引いてまわった漂泊民。蚕の鑑別嬢。味噌漉し奥さんと呼ばれて。 騙す狐の話。生きたまま、唇の肉をウジに食われていく兵士の話。 聞いたこともないような話や過酷な人生の話が、載せられていますが、 これらは、ほんの一部分にしかすぎません。
介護の現場の大変さは、この本にも述べられています。 著者に続く、語りの聞き手が現れるのは難しいかもしれません。 それでも、介護の現場に異なる視点をあてた、著者の功績は大きいと 言わざるをえません。
開かれた唇。こぼれおちた言葉は、きっと誰かにたどり着く。 語りかける言葉には人生を裏返すちからがあると信じたくなる。 そんな本でした。
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