「今語る」にだまされた、とは言いませんが、純然たるインタビュー本ではありません。そうかだから著者が「きたやまおさむ」ではなくて「前田祥丈」なんだ、と今頃気づきました。
きたやまおさむの語りに、かなり著者の解説というか説明が加えられています。別にそれが邪魔だとは思いませんが、やはり生の声を聞きたいと思います。
内容はかなり充実しています。きたやまおさむの虚と実というか、プレイング・マネージャーぶりを時系列を追って語られていますし、将来についてまで触れられているところが単なる回顧録に終わらせていないので良いと思います。
CDは、きたやまおさむについてはあってもなくても構わない、本当におまけという感じです。8曲収録されていますが、本書にコメントがある以外は特にこの8曲でなければならないという説明はありません。それでもどれもが代表作だと思いますし、「戦争を知らない子供たち」はジローズのバージョンではなく、万博の時のものだと思いますので、ある意味必聴ものかもしれません。
今は亡き高田渡さんに逢う為にこの映画を見る。まずはこの映画を撮ってくれた人達に感謝をしたい。ありがとうございます。しかし、特典映像に一点だけ許せないシーンがあって、それは渡さんに「撮っても良いよ」と言わせてしまうシーンだ。見ていてこちらが謝りたくなるような心苦しさを感じる。寝姿を何度も撮って何がしたいのか、本当に下品で恥ずべき事だと思う。最後に心残りなのは特典映像の中で渡さんが話していたアルバムが実現していたらということ。そしてこの映画を見た人達が、それぞれのタカダワタル的を育んで行って欲しいと願う。
決して歌はうまくないと思いますが、このストレートな歌い方は素朴で、実直なものです。自分もこう生きたいと素直も感じました。
歌唱力は確かに問題があるかもしれない。 だが、きたやまおさむに限っていえば、 歌唱法がどうの、音程がどうのというのは 間違い。音楽を愛する者なら、きたやまの うたから、きっと何かを感じ取るに違いない。 「積木」、「あの素晴しい愛をもう一度」は、 必聴の名曲。 一度、きたやまワールドにハマると、なかなか 抜け出せなくなる。それほど、きたやまおさむの うたは魅力的である。
聞いていると、まるで自分ひとりのために坂庭省吾がたった一人のコンサートを開いてくれているような気になるアルバムですね。ギター1本の弾き語りというシンプルさが、省悟さんのボーカルを引き立てて、曲のよさも際立たせていて、とってもいい感じです。MCも省悟さんの人柄そのままで、聞いていると今でも京都でがんばっている、そんな錯覚さえ覚えます。このアルバムは、09年のベストです。決してメジャーに活躍していたアーティストではない彼のこんな素敵なアルバムを企画してくださった関係者の皆様、本当に感謝です。
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