本DVDはファンタスマゴリア録音時のメンバーのLive映像が見られるもので、収めされている曲目は「Marie Antoinet」「Proposition」「Melinda」「Vivaldi」です。時々、曲に合わせた(?)映像が流れる(Propositionでの映像は猛禽類がネズミを食いちぎるというグロいものです)のがうるさいですが、何しろ今までCurved AirのLive映像を見ていない私には貴重なものでした。
クラシック正規教育を受けたダリル・ウェイ(violin)とフランシス・モンクマン(g.key)の2人に女性ヴォーカリストのソーニャ・クリスティナをフィーチャーした英国プログレバンドの2枚目。記録的予約セールスの1枚目よりもさらに彼らの特色がおしだされた良いアルバムである。クリスティナとウェイの2人がフロントメンバーであるが、編曲とサウンド作りはモンクマンがイニシアティヴをとっている(彼のその後のSKYなどでの活動をみれば明らか)。特に、track 1におけるVCS3シンセサイザーソロの何気ないようで非常に洗練されたフレージングは特筆に値する。ただし、ギターとキーボードの両方を担当しなければならなかった負担は、スタジオではともかく、ライヴではきつかったようである。バンドとして英国では一定の人気と支持を得ながらもこの2枚目で到達したレベルを維持できなかった(モンクマンはその後脱退)原因もその辺にあるのではなかろうか。
本作はEddie Jobsonのプロデビュー盤であり、カーヴドエアの最高傑作である。 興味深いことに、Eddieが参加するアルバムは、他のミュージシャンもその影響を受けてなのか、非常にハイセンスな作品に仕上がる場合が多い。エアカットも同様のことが言えるだろう。 昨年9月、実に20数年ぶりにステージに立ったその場所は、なんとロシアであった。そのとき、自身の作品をピアノとエレクトリックヴァイリンでメドレーで演奏した。その中の一曲がMetamorphosisのピアノソロであった。 本年1月のニューヨークでのEddieのバンド、UKZのコンサートでも、同じくメドレーの中の一曲として演奏された。 そして、2009年6月、Eddieにとって30年ぶりとなる日本公演においてEddieによる生の演奏が聴くことができた。本作からは演奏されなかったものの、記念すべきEddieのデビュー盤である。 本作についてのレビューはすでにすぐれたものがあり、補足的に記した。
70年発表の1st。カーヴド・エアはソーニャ・クリスティーナ(vo)、ダリル・ウェイ(vln)、フランシス・モンクマン(k,G)、フロリアン・ピルキント(Dr)、ロブ・マーティン(b)の5人によって結成されたグループであり、その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら活動していくが、グループ解散後も様々なグループやソロで活躍していく猛者が多数揃っていた。 ソーニャの美しいというよりは力強いヴォーカルとウェイのヴァイオリンがこのグループの肝であり、この作品ではまだ荒削りではあるもののその点は十分に楽しめる。また矛盾するものの、この作品では以降に見られるようなメンバーの出番の極分化は見られず、各メンバーの見せ場が用意されているところもポイントだと思う。比較的地味なドラマーの出番やベーシストの手による単独曲もあり、バラエティにも富んでいる。全体的にはサイケデリックとブログレを行き来するかのような作品だと思う。
楽曲としてはとにかく1.が素晴しい。ブルース・ロック調の曲が突然ぶった切られてヴァイオリンが出て来るところが鳥肌もの。単に美しいのでは無く狂気じみた開放感のようなものすら感じさせる。2.はウェイのエレクトリック・ヴァイオリンによるバッキングが素晴しい曲。5.は彼らの代表曲の一つでライヴのハイライトだった。緊張感をと美しさを伴ったウェイのヴァイオリンが素晴しいが、時代を反映したかのようなノイズ・サウンドは若干聞き手を選ぶか?(私は大好き) 8.は前記のベーシストのロブの曲。ピアノをバックにウェイのヴァイオリンがソロをとるシンプルな曲だが、混然としたこの作品の中の清涼剤のような役割になっており、シンプルな故の美しさを持ったはかない佳曲である。
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