この本が良いと思ったのは、iPS細胞そのものだけに焦点を絞り過ぎていない点です。 本当の意味でiPS細胞の重要性を理解するためには、その発明に至るまでの世界的な研究の流れやES細胞との比較など、周辺の事情をよく理解しなければなりません。この本はその辺りに非常に丁寧に力を注いでいます。 さらに良い点は、iPS細胞はまだ完璧なものではないことをしっかりと伝えており、すでに世界中で進んでいる最新の研究内容について記載しているところです。今後の研究の流れについても考察を加えています。 iPS細胞発明の重要性を学びたい方は本書を。本書ももちろんiPS細胞の作製方法についても記載していますが、より詳しくiPS細胞発明そのものの詳細を知りたい方は【増補 iPS細胞 (平凡社新書):八代嘉美】の方が適していると思います。
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