老人性痴呆に直面した家族の様子を描いた本 ・若者は自分が老人になることを認識できない ・肉親でさえ、いや、肉親だからこそ、ぼけてしまった老人に対して 端から見ると冷淡になってしまう。 ・嫁として世間体、母性という本能が入り交じり、世話をする女性。 ・おろおろと観念的になるしかない息子。 ・現実感がわかない孫。 ありふれていて 誰でも向き合わなければならない現実を様々な場面から 描いている。 昭和57年発刊だが 「昭和80年には3000万人が老人になる」 という、明確な事実に立っている自分としては ため息の一つもつきたくなる事実でもある。 老人の現実を幼い頃から見ることが出来ない 核家族化してしまった日本。 揺り戻しからくる 介護に対する関心。 どこまでも現実を突きつけてくれる作品。
司葉子の代表作であり、たぶんもっとも美しい頃に撮られた映画。女の一生ものというと、少し安っぽい感じになるけれど、時代背景も含めて、和歌山の旧家に川を船でゆられて嫁いでいく司葉子の、美しさ。
明治期の和歌山の旧家の暮らしや、文化に触れられ、日本の古き良き時代が郷愁を誘う。
女のお守りである「乳形」をこしらえて、神社に奉納する風習のシーンも忘れられない。
また、美しい兄嫁に思慕の想いをよせる若き丹波哲郎も必見。
ヒロインの娘役は、若かりし頃の岩下志麻。母親とは全く違い、行動的で革新的な娘を演じた。
この作品と、「華岡青洲の妻」もおすすめ。
ここに映る菊川怜が哀しいほど美しい。目がキラキラと輝き、往年の大スター岡田茉莉子の若い頃を彷彿させる。。いなくなった男の持ち物を触りながら、泣き崩れるワンシーンワンカットは、驚愕さえ覚えます。中々見れない、菊川怜の2時間ドラマも是非ソフト化を希望します。
最初の章は意外性があり、へっ、と思いました。 ついで、どうやって他の人の手に渡っていくのかが とても楽しみで、わくわく・どきどきの連続です。 最後どうなるか、読んでからのお楽しみです。
表題作は、幕末の横浜を舞台にした抱腹絶倒の喜劇です。芸者お園のついた小さな嘘が雪だるま式に大きくなっていく様がとてもおかしく、無声映画時代のスラップスティック・コメディーに似た味わいがあります。杉村春子、板東玉三郎、新橋耐子が主演した3通りの上演を見ましたが、いずれも客席をわかせていました。著者の構成力の勝利と言えるでしょう。「華岡青洲の妻」の戯曲版も収録されていて、お買い得の一冊です。
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