京都の道具屋”とびきり屋”の夫婦が、毎回ある道具に関わり、そこに坂本龍馬や新撰組などが絡む、シリーズ第2弾。
1巻目は、道具の話、龍馬など幕末の有名人たちの話、”とびきり屋”のことなど、幾つもの事柄をそれなりに描こうとしたせいか、詰め込み過ぎた感じがあり、話の中心も道具や人物にその時々で変わり、今ひとつまとまりのない作品に思えました。 しかし2巻目は、必要以上に歴史上の人物たちと関わりをもたせず、出てくる道具を中心に話がすすみ、道具の逸話にもひねりがあり、全体的に1巻目より良かったです。 また本書は6話から成りますが、意外なカラクリのある「夜市の女」、微笑ましい「ええもんひとつ」、洒落た感じのする「花結び」、筋書きの妙を感じた「鶴と亀のゆくえ」など、幅のある内容で、面白みがありました。
先日日経新聞の朝刊に、山本兼一氏の記事が大きく載ってました。今後とも山本版日本歴史小説を大いに書いてくれそうな予感、変わった視点から、日本史を見つめたいようで、期待とともに、とても好感が持てました。本書はザビエル物でありながら、遠藤周作の「沈黙」のような基督教然とした小説とは、180°違います。ザビエルの基督教伝来から、ポルトガルの異様な外交官の登場、そして日本の銀山をめぐる一大活劇と発展していきます。さて、ザビエルと銀山、海賊とは何の関係があるのか、そんなことは考えず、一気読みの面白さです。ちょっと作りすぎの感じもしますが、面白いこと間違いない、逆にザビエル物だから、固い、基督教云々とは全く考えず、どんどん読めるストーリー展開です。最後の銀山を巡る海上での対決までの導入部分が、あまりにもあっけない印象で、もうすこし凝った展開にもできただろうとは思います。そのあたりはテンポが良い分、急ぎすぎた気配有りです。
「喝! 生ぬるい!」と、いわれているようだった。
山岡鉄舟の生涯を見事に活写している。
北辰一刀流の撃剣を描くだけでも、大変なのに、座禅修行と公案を描き、残された書まで読み解かねばならない。著者が「とんでもない男だ」と書いているだけに、よくぞ描けたなと思えた。
武士であった主人公が父親とのいざかいから,前から興味のあった刀に関連して刀剣屋に婿入りして活躍する話である.非常に読みやすく読後感も爽やかです.なぜ村正が妖刀扱いされるのかもわかります.
物語は利休切腹の瞬間ときから時間を遡さかのぼっていく。最後は戻って切腹直後。非常に斬新な構成で次々とページをめくらずにはいられません。若き利休が恋こがれた高麗の女性が所有していた緑釉の香合。切腹までしてかばった緑釉の香合と恋こがれた高麗の女性との想い出。そこまで恋焦がれる女性に出会ってみたいです。それにはまず茶道から始めなければ・・・
利休にたずねよ
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