私がpドラッカーの「断絶の時代」を初めて読んだ10年以上も前の感想は 私の日記のところどころに書き残しています。それほどまでに私にとって 新鮮であり、また初めて議員として政治に関わるようになった当時の30歳代の青二才によって我が意を得たりとの得心の書でありました。 今も、この一冊を私に紹介してくれた友人がこの本について語るのを聞きながら、知的興奮に襲われたことを思い出すそれは、当時、新進気鋭の若手議員として「澱みとの決別」を主張してきた私の色メガネ越しには「断絶」とは、政府の考え方、方針、組織のすべてにおいて、過去の延長ではないイノベーションの意と見えたのです。昨日の延長ではない明日を作りだす勇気と知恵を私は大事にしてきました。
しかし今の政府の有り様を見れば、政治が過去から遊離することは、まさに未来を失うことになると感じざるを得ない。 私が突然のようにこの気付きを得たのは、企業経営の携わる友人から勧められた『CEO』の「一日で組織を動かすのではなく、まずは聞く事から始めよ。」との教えによってです。色眼鏡を外すことから組織の変革ははじまると感じた。
各CEOについて見開き10ページ分程度設けられており、非常に読みやすい本であった。また、50人のCEOの選考基準、最後にはすべてのCEOに共通する性質などについてもまとめられておりなかなか面白かった。51人目のCEOとしてピーター・ドラッガーのページを設けているところなどもユニークである。 表紙の人物画からも分かるように、選抜されたCEOには最近のハイテク系のCEOが多少多いような気がしないでもないが、読み物としてはなかなかレベルが高く、学ぶことも多いのではないだろうか。特に企業の経営層の方々に読むことをお薦めしたい。
読めば経営者としてのバフェットの凄さを思い知らされるであろう一冊。バークシャー傘下の企業のトップの経歴やインタビューをまとめたものである。執筆にあたっての力の入れ方や文章の上手さも申し分ない。
経営に干渉しないとか、安く買うとか、事業資質の良い企業を買うとか、そのようなことだけなら他でも色々言われている。本書がとくに際立っているのは、「優秀な経営者が率いる企業を買う」という最も真似しにくい投資行動が、買われた側の言葉として恐ろしく詳しく述べられていることにある。ボスも部下も共に誠実かつ優秀だったら当然のように強力な信頼関係が生まれる。業務のチェックなんてほとんど要らない。事業の資質が良ければ好きなようにやった結果として大きな利益がついてくる。この効果を突き詰めた会社としてのバークシャーの姿が見えてくる。買われることによって被買収企業の経営陣がIRや資本配分に煩わされなくなることの強みもわかる。
本書の多くの経営者からは、「金のためではない」「正直が一番」「顧客の幸せのために」「従業員は家族」「株主への責任を負う」という趣旨の言葉が発せられている。これらの言葉自体はちっとも珍しいものではないが、きちんと達成していることは凄い。大抵の組織なら、正直だったら儲からないとか、客や株主ではなく上司の機嫌重視とか、従業員は切り捨てとか、仕事をするのは偉ぶるためとか、何か大きな問題があるだろうに。
|