石田ゆり子という女優には、先入観が有りました。清らかな雰囲気を、醸し出している。しかしながら、いい意味でも、あるいは、本人には隠したい作品かもしれないが、仕事と割り切って堂々と演じている姿こそが、最大の彼女の魅力だと感じました。
このドラマはバブル時代の産物ですね。一流商社に勤め立派な家柄の夫(少々マザコン)、主人公自身も裕福に育ち、大手会社会長の秘書として美しい日々を過ごしている・・・が満たされない。何かを求めてさまよう麻弥子やそれをとりまく人々と東京の風景すべてが、バブル時代の象徴です。アンニュイなUAの主題歌とともにお金と心に余裕があった時代をどっぷり思い出させてくれるドラマです。
当時VHSで見ました。キャストは渡辺いっけい、内藤剛司、石田ゆり子、岡本健一・・・ETCになります。 最初見た時は話の意図が中々分かりにくかったのですが、大人になってから見ると、「ああ、こういう事なんだな」というのが分かります。不倫がテーマになりますので、この作品は少しアダルトよりな話になります。その点だけ注意しといてください。 出来ればDVD化希望です。
一気に読みました。過不足ない夫もいるはずの主人公麻他子の32歳から35歳までの迷いの日々をみごとに描ききっている。老いていくことや日常の生活へのなんとなくの違和感からどんどん夫以外の男性との恋愛に走っていく主人公、というのはありがちだけど、その細かな情景描写に脱帽。例えば 「その日曜日の午後、麻他子は自分のために水色の麻のスーツを着、男のためにバラ色の下着をつけて家を出た」 「麻他子は夫に対して、小さな仕返しをいくつかする。たとえば夜のおかずを一品少なくする、シチューはレトルトを使うといった些細なものであるが、それでも仕返しをするとしないではだいぶ気分が違う」 麻他子の気持ちを疑似体験しながら、人間の自分ではコントロールしきれない膨大な欲望に圧!倒されながら、でも、やっぱり恋愛はいいなと思いながら読んだ。 蛇足ですが脇役のキャラクターが良いです。
主人公は、32歳の美しい人妻、水越麻也子である。まだ子どもを持たない麻也子は、いつもちょっとだけ退屈している。夫の航一はあまり相手にしてくれないし、セックスもすでにおざなりである。そこで過去の男たちのことを、ひとりひとり思い出してみたりする。友人は言う。「浮気は夫婦円満の秘訣かもしれない」と。麻也子は、情事の相手を模索しはじめた。この不倫相手選びが、最近の彼女にとっては最大の関心事であった・・・。 この小説は、不倫の愉しみを少しだけ覗かせてくれるが、その愉しみの尽きた先をも、これでもかというほど見せつけてくれる。不倫は、誰かに自分の価値を認めてもらいたいと心の奥底でつねに希求している主婦の、落とし穴なのかもしれない。
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