昨今のアニメを基準にすると、アニメらしくないアニメかも知れない。 魔法士の試験通過を目指し「遠野」から上京した少女の成長物語(ビルドゥングス・ロマン)が中心。設定の「魔法」は日常生活に溶け込んでおり、派手な展開はまったくない。主人公たちの悩みは個人的で、私たちの生きる現実と変わらず、社会を超えることなくとどまる。これを浅いと見る人もいるだろうが、明らかに意図的な抑制であり、非常に後味の良い仕上がりになっている。 声優経験のない宮崎あおいを主人公役に充てたのはある意味冒険だったろうが、むしろ素人くささが残っていることが、田舎から出てきたばかりでなまりの抜けない素朴な少女役に結果的にぴたりとはまった。こういうタイプの「癒し系」アニメは、あまりにそれを目的として意識的に製作していたらむしろ嫌味なものになっていたであろう。その意味で、様々な幸運が重なってできた佳品のように思える。
深夜枠の、しかもアニメのサントラということでヒジョーに扱いが薄い(着メロとかにも見向きもされない)ですが…そんなんが勿体無いくらい曲の質はいいです。 本編に関しては何も触れませんが、挿入曲はフツーに心地よく聴いていられます。全ての曲を知ってるわけじゃないけど、おそらく『名曲』が多くを占めるでしょう。 寝るときとか、ゆっくり落ち着きたいときに聴くのがよろしいかと。別に、いつ聴いたって全く問題ないですけどね。『灰羽連盟サントラ ハネノネ』共々、これはオススメです!購入前に、テレビで実際に聴いてみるといいでしょうね。でも、たとえ本編知らなくても、普通のサウンドトラックとしても十分、聴くに堪えうるモノです。
ユメちゃんが可愛い!! 更に、ストーリーも心温まる、爽やかな内容で素晴らしい。 この話の世界は、魔法が認められている、現代日本… 主人公の菊池ユメは、岩手県遠野から、魔法遣いの研修のために、上京し、 魔法遣いに大切なことを探しながら、成長していく… 魔法遣いに大切なこととは、延いては、人間にとって大切なことではないか… と思います。 だけど、二巻までしかなく、話も何か、急に進んでしまっているところが残念 ですが、漫画でこれほど、感動したことがないので、五つ星です! この世界観をもっと、知りたい方はアニメバージョンもどうぞ…
直近にアニメサントラとしてバンパイヤ騎士や西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜、ROOKIES、NHKスペシャル 病の起源 といった、引き出しの多い羽毛田さんらしく作品世界に寄り添ってフィットした楽曲を作っていたりします。それらは、メインとなる旋律は思いの外聞こえてこなくて、そつのないサウンドトラックという感じが強かったりします。それは、たぶんCDでまとめて聴いてみると、テーマ性に書いた雰囲気を感じてしまうというものになるのではないか、と思えたりします。
その点から前作である 魔法遣いに大切なこと は、作品のコンセプトから受けた印象を元にしつつ、かなり自由に自らの楽曲として作ったという印象が強かったですし、それが作品にもいい影響を与えたと思えるものになっていたりします。その点は、今回の〜夏のソラ〜でもアイルランド系のものという一つの柱ではいかんなく発揮されています。ただし、メインテーマとなる旋律とそのアレンジが多くを占めており、楽曲としてのバリエーションの多さにつながっていないのは、前作を気に入っていた人にとっては不満が多少残るものになっていると思います。
もう一つの柱であるロックなものというのは、直近ストリングスの大きな編成やオーケストラ系のきれいな感じとは対極を成すものですが、実はこれも羽毛田さんの得意分野といえるものだったりします。いわゆるアメリカン・ロックといったものは、それほど旋律にキャッチィなものはないのですが、この〜夏のソラ〜では、作品の映像表現にもぴったりと合っていたりします。しかし、作品にあっているものは、作品自体の評価も良くないと楽曲としてあまり評価されないという前例通り、あまり評判は芳しくないかもしれません。
アイルランド系のものとロックなもの。このちょっと合わさらない2つのコンセプトの楽曲が、一つのサントラとしてきちんと並び立って響いているというのは、個人的には気に入っていたりするのでした。
この作品は第二弾として製作されたものなので、 作品としての表現物を演出に切り替えて、 前作と違う色を出したかったのだろうと思う。 しかし、世界観のみの構築に終わってしまっていて、 エンターテイメント性が低くなってしまい、 背景などの美術性がヘンに目立ちすぎてしまったように思う。
キャラクターの思いの強さとかが伝わりにくく、表現もされていない。 すべて俯瞰な感じで、強さの呼び起こすものとかの影響が描かれてない。
だが、細かいところの演出が、何度か見返すと細かく表現されていて、 こういったきめ細かさは女性がとてもお気に入りになる世界観と思います。 ちょっと男性向けではない気がしますね。
また東京へきたおのぼりさん感覚の郷愁とか、 「ほら、懐かしいでしょ?」という東京というグローバルだが、 ローカルな感傷は非常にナルシスティックで、 やたらと音楽方向、東京の周辺へ演出、これらは自己満足な世界でしかないし、 それを気に入る人や気にならない人も居るが、 「田舎者は、どこへ行っても田舎者」 という感覚はちょっと辟易としますね。
だが、作風としてユニークだし、いい位置づけだけど、 なかなかの「小品」として星3つと思います。
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