ファースト・アルバムの『anmi2』がとても印象に残りましたが、本作も充実した仕上がりだと感じています。安藤まさひろさんとみくりや裕二さんは、所謂フュージョン系のサウンドを奏でますが、幅広い音楽性を持っています。
ビートルズの名作『 Abbey Road』に収められている「Here Comes the Sun」がイイですね。原曲の持つイメージを壊さずに、爽やかに軽やかに演奏しています。アコースティック・ギター特有の弦の響きがまた格別です。
竹内まりやの「元気を出して」の選曲も嬉しかったです。オリジナルの持つ温かみがギターのサウンドからストレートに伝わってきます。演奏者のハートの温もりがアレンジや音色を通して聴く者に伝わる演奏というのはあまりありません。長いキャリアから裏付けられたテクニックは抜群で、ステキな音楽を聴かせてもらいました。
グレン・ミラー・サウンドを彷彿とする電気あんみつの「In The Mood」のスウィング感もご機嫌でした。2人でフルバンドのスコアを演奏するのは大変なテクニックがいったと思いますが、違和感なくこのジャズの名曲を聴きました。 アルバムタイトルのギリシャ映画「日曜はダメよ」も懐かしく聴きました。あんみつのお二人が子供の頃に流行った音楽を今また新しい感覚で蘇らせましたね。
オリジナルの「October」、「Dear Life」、「モノクローム」、「おもかげ」は、長くステージで演奏されてきた曲等ですので、安定感もありますし2人の思い入れも感じ取れます。個性豊かな演奏が並んでいると思いました。
レッドパージでアメリカを追われたジュールズ・ダッシン監督のギリシャ資本のコメディ。本のなかでしかギリシャを知らないアメリカ人旅行者ホーマー(ジュールズ・ダッシン本人)が数ヶ国語を話す娼婦イリヤ(メリナ・メルクーリ)に出会い彼女を娼婦から足を洗わせて知的な女性に更生させようとする。この展開は「マイ・フェア・レディ」と同じだがオチが全く違う。
ホーマーはギリシャの本質を全く理解していない(ギリシャ語も話せない)のに本の知識で得たギリシャ感を押し付けようとする伝道師的な人物。しかし、利害が一致するからといって最後には自分の道徳観も捨ててイリヤと敵対する相手と組んでしまう。この展開はまるでレッドパージ下のアメリカ全体を皮肉っているようにも思えし、聡明なイリヤがホーマーの思うがままにならないところも良い。まるで「マイ・フェア・レディ」の逆手にとってアメリカを批判しているようにも思える。 後半にホーマーがブズーキの奏者に楽譜が読めないことで音楽家としては失格というくだりも同様の意図があったのか。しかし、ホーマーのキャラクターがいわゆるコメディで描かれそうな典型的な伝道師なのがちょっとやりすぎのような感じがする。 また、イリヤがホーマーに乗って更生しようとするところも「何故急に心を入れ替えたの?」と思ってしまう。そんなところはちょっと不満。
ブズーキのメロディが魅力的な主題歌(ジュールズ・ダッシン監督の「トプカピ」もこのメロディが活躍する)も生きているし、陽気なギリシャの人々が盛り上げる展開はこぎみ良くて楽しい。 イリヤのギリシャの悲劇「メディア」に対する観方も面白い。ジュールズ・ダッシンの「メディア」感が反映しているのか。後に「女の叫び」でメリナ・メルクーリとエレン・バースティンという2大女優を競演させて描いているのでこちらも必見。 コメディとしても面白いが様々な考え方が潜む奥の深い作品だ。
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実はこのCDを、ヘルムートツァハリアスの演奏になるものとして、買おうとしています。 この曲のイメージは、明るい「イタリーの庭」です。女性たちの明るい話し声、奏でられるツァハリアスのヴァイオリン、軽やかな間をドラムが叩く。 今廃盤とのことですが、早く入手したいなー。
主題歌の"NEVER ON SUNDAY"は、上の内容紹介にも書かれている通り、 きっと誰もが一度は耳にしたことのあるナンバーだと思います。 主人公のカタブツ研究家ホーマーの失礼な振る舞いに対して、 陽気にでも徹底的にトッチメル娼婦イリヤの雰囲気に、ほんとピッタリです。
ストーリーもとってもユーモアがあって、観た後は気分爽快。 ガールズ・パワーを感じさせてくれますよ!
待ちに待った念願のDVD化なんで、ぜひ皆さんにも観てほしいです。 私はもちろん、予約しました!
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