ウォン・カーウァイ映画は音楽を抜きには絶対に語れない。 有名なイグアス瀑布のシーンで使用されているピアソラの曲。 こんなにも美しく深い音楽が存在していることにただひたすら感謝するのみ。
TRANSIT毎回購入していますが、今回はずっと気になっていた国、南米アルゼンチン! 期待して購入してしっかり魅惑されました。大自然と混沌と発展を切り取った写真も素敵だし、読み物もしっかりしてます。 毎度のことですが。持ってるだけで嬉しくなる、ずっと保存したくなる数少ない雑誌です。 なかなか行けない南米だけど、絶対、行きたいな~
THE BEST VERSION OF THIS FILM, NO DOUBT!
ウォン・カーウァイ監督、レスリー・チャン、トニー・レオン主演の97年の映画。 個人的に思い入れの強い作品、あきらめていた中でまさかのBlu-ray化。 版権が切れるのでこの機にBlu-ray化されたようです。
作品の概要は省略します。 30代半ばの一番セクシーだったころのレスリーが、見事なはまり役で 伸び伸びと自分自身を演じているかのような本作。 C・ドイルのざらついた質感のフィルムが独特の雰囲気を醸し出します。 トニーはアルゼンチンに着くまで役柄について知らなかったそうですが、 そうとは思えないほどのリアルな役作り。 W・カーウァイはとにかくフィルムを回して役者にほとんど演出もつけず、 簡単にセリフだけ伝えて(時にはなんかしゃべってと)役者の地力を 試すかのような撮影方法だったそうです。 だからかもしれませんが、ウィンもファイも実在の人物のような リアルで愚かな人間臭いキャラクターになっています。 アストル・ピアソラ、カエターノ・ヴェローゾなど、音楽のチョイスの センスの良さもカーウァイならでは。
映像については、劇場公開版はもともと鮮明な映像が売りの映画ではないので、 HD化され画質は綺麗になっていますが劇的に変化はしていません。 一方、デジタル復元版は色味も調整され鮮やかではっきりした映像になっています。 オリジナルのフィルムにはこれだけ情報量があったのか、と正直驚きました。 劇場公開版では気付かなかった物が多数あって新鮮でした。 トニーが投げた卵の殻、ゴミ箱に入っていなかったんですね(笑) 15年経って初めて気付きました。 劇場公開版は露出を上げてコントラストを強調した、意図的に粗く作られた 映像だったようです。 ただ、どちらが良いかと言われると、好みの分かれるところですね。 劇場公開版の褪せた色味の方が、個人的にはこの映画に合っている様な気がします。 料理は圧倒的にデジタル復元版の方がおいしそうですが。
また、特典としておそらく宣材用にあったスチール写真をHD画像にて多数収録。 スライドショーで観ると映画を追想できます。
映画としては何も言うことはありません。 愛蔵版としては、もう少しプラス何か収録して欲しかったというのは 贅沢な望みでしょうか。 あとジャケットはUSブルーレイ版の二人がタンゴを踊っているバージョンの方が 良かった。 ★は5つです。
ブエノスアイレス食堂が開店するまでのこと。 開店後、代々受け継がれたレシピ本とこの食堂を、いくつかの(広義の)家族たちがつないでいくこと。 食堂は、家族たちの苦労の上、栄枯盛衰を繰り返すこと。
第一行目で放たれる、赤ん坊セサルが肉を齧った、という一文は、上記のようなブエノスアイレス食堂についての記述を読んだあとであれば、深く感心を持って読み返すことができる。
ああ、これは愛への渇望が描かれている、と気づいたら、この本はもう終わってしまう。 私はサセルに心底同情し、愛おしくさえ思えたのだが、あなたは彼を恐ろしい子だったと感じるかもしれない。
そして、登場するおいしそうな料理の数々に、読んでいるとお腹が空いてしまうので、読む場所や時間にはご注意を。
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