テレビ番組で著者は、うどん店を立ち上げる際に1日12食を食べ歩き市場調査をしたと言う。インタビュアーの村上龍氏がはじめて見せた絶句の表情に驚き、「只者ではない」と早速本書を読んでみた。先が見えない時代という空気の蔓延する中、事業すべてに完勝しつづける著者のことばは自信に満ち、1つ1つが深く、重い。私なんぞは、ひとつもわかっていないに違いない。厳しい時代の今日、著者はいつも夢の中にいると言う。ミュージシャンを目指していた学生時代に、事業が傾きかけた父親の会社を引き継ぎ、親の遺言にも背きもし、ひたすら働きつづけ、最初の事業に成功してからずっと、夢の中にいるのだと。会社選びは結婚相手を選ぶこととまったく同じだと言う。就職活動をはじめる人が、どのような心がまえで活動に臨むべきなのか、世の中の厳しさを知ることができる。これまで夢に向かってがんばってきた人、その夢に一旦終止符を打ち、新たに歩みたい人にもぜひ読んでほしい。心に響く、まれな1冊と思います。
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