この本には「村上春樹と江藤淳の帰還」という副題がついているけれど、メイン・タイトルはただ一語、『アメリカ』。これって、ありそうで実はないタイトルだと思う。つけないよ、こんなタイトル、普通。 『アメリカ』っていうタイトルで思い出すのは、やっぱりカフカじゃないだろうか。因みに村上春樹は06年3月にチェコの文学賞「フランツ・カフカ賞」を受賞している。『海辺のカフカ』も書いてるし… カフカの『アメリカ』は、元は『失踪者』っていうタイトルで1912年頃から数年かけて書かれ、未完に終わった作品。で、カフカ没後の1927年、マックス・ブロートがこのタイトルをつけて刊行した。フィッツジェラルドの『ギャツビー』が1925年発表。カフカ(1883−1924)とフィッツジェラルド(1896−1940)は生年で13歳差。人生の長さはカフカ41年、フィッツジェラルド44年。カフカが『アメリカ』の原型を書き始めたのが29歳頃。フィッツジェラルドが『ギャツビー』を発表したのも29歳頃。村上春樹が『風の歌を聴け』を書いたのが29歳頃で、1979年、30歳で群像新人賞を受賞している。 ま、こんな符合に、大した意味などないのだろう。 むしろ重要と思えるのは、カフカが一度もアメリカを訪れることなく『アメリカ』を書いたという点。村上春樹は、随分遅くまで海外に出たことがなかったはずだ。坪内は本書で、村上春樹と江藤淳が実際にアメリカを体験することで何を得て、何を失ったかを問題にしている(そして体験前の方に、むしろ好感を抱いている)。カフカが『アメリカ』を書いていたのは第一次大戦の直前だけれど、当時のヨーロッパから見たアメリカって、どんなだったんだろう。 ところで、面白いことを発見。フランシス・スコット・フィッツジェラルド著『アメリカ』という本が存在するんです。1981年に邦訳が出ている。ただし、『ギャツビー』の作家とは別人。残念でした(でも、邦訳刊行年から考えて、坪内が間違ってその本を買った可能性はあると思う)。
生産キャパシティ以上の売上はあげられない。それでも売ろうとするからムリ・ムダがはびこる。小学生でもわかりそうな、そんなシンプルな理屈が通らないところが経済の面白い所か?
私の永遠の歌謡界ビッグ・スリーは美空ひばり、小林旭、そしてこのロス・プリモスのリード・シンガー森聖二です。
都会の盛り場の女心を唄わせたら右の出る者ははおりません。ロス・プリモスはラテン・バンドが母体となっており、そこから来る歯切れの良いモダン感覚、ムード歌謡ならではの甘味な世界、どうしようもなく切ない女心、これらを都会の夜サウンドで包み込んで、美しく華麗に見事に歌いきれるグループなのです。
ニュー・ヨークを代表する50年代のドゥー・ワップ・グループ、The Heartbeats のリード・シンガー James Sheppard (後にShep & The Limelightsでも有名)を彷彿とさせる粘りのある歌唱法、美声そしてスター性には心身ともに、とろけるばかりです。
「ラブユー東京」などでのクラウン時代も最高ですが、このCDのビクター時代も同じく重要です。このアルバムで同時代の重要曲はほぼカバー出来ます。是非お楽しみ下さい。
ただ、このグループの実力を以って、約10年間在籍していたこの時代がCD1枚で済むはずがありません。収まり切るはずがありません。シングル盤も20数枚リリースされておりますし、我が家にでさえビクター時代のLPが5枚あるのです。同社を代表する森進一、藤圭子他らの傑作ナンバーもカバーしてますが、このロス・プリモスの解釈もまた最高なんです。未CD化ビクター音源は沢山あるはずなんです。
クラウンは5枚組CDボックスをかつてリリースしてくれました。ビクターもボックスを出すべきでしょう。出してください。お願いします。 あ〜〜〜〜っ!!! このアルバム、ビクター時代の大傑作 「ビューティフルなお別れね」が入ってませんやん。それって Charles Brown のベスト・アルバムに " Merry Christmas Baby " を入れないようなもんやん!!!アカンアカン。 OK !! こうしましょ。「ビューティフルなお別れね」をちゃんと入れた 5枚組CDボックス発売っ!!!これで行きましょっ!!
いい感じでしたょ・・ありがとう・・また機会がありましたらよろしく・・
仕事上大量の暗号を使いながら働く主人公が、ちょっとしたきっかけで 色々な出来事を体験した結果、自己コントロール能力を失っていくという、近未来ドラマです。音楽と映像がいい具合にミックスされていて、とってもおもしろかったです。個人的には。
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