吹奏楽の甲子園、普門館。 そこで毎年繰り広げられる演奏は、もう高校生離れした演奏ばかりだ。 そんな演奏の中の金賞をあつめたこのDVDは、もうすごい以外のなにものでもない。 そして去年は日本テレビ「笑ってこらえて」でも取り上げられ、 吹奏楽というのが世間に少なからず耳に入った年ではなかっただろうか。 その番組を見て、少しでも興味を持ったかたはこのDVDを見ていただきたい。 番組でもとりあげられていた「淀工」や「習志野」も出ているし、 他の学校負けないくらい素晴らしい演奏を繰り広げている。 吹奏楽ファン、そして吹奏楽初心者にも、必見の1枚である。
大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部顧問の丸谷明夫先生監修と書かれると吹奏楽関係者や吹奏楽に興味を持つ者は手に取るでしょう。まして「コンクール編」と銘打たれているわけですから。
丸谷先生の文は「はじめに」の2ページだけです。また導入編として第1章に「コンクールに参加する!」とあり、参加するための流れやスケジュールと7ページの分量で書かれてあり、第2章で「サクラのコンクール必勝列伝」という6ページの分量で漫画が記してあります。内容はオーソドックスですが、あえてこの箇所を漫画にする必要もないでしょう。
初めてコンクールに取り組む吹奏楽の顧問や現役の部長が心覚えとして知っておくことを確認するのには有益でしょう。情報と言うのはあればあるだけ役立つと思います。ただ、もう少し多くのページを費やして掘り下げた内容を期待したのも事実です。なにしろ「コンクール編」という文字は重みをもって伝わってきますので。
第3章では、ホルスト作曲『組曲第1番』を取り上げて、各パート別に練習したり演奏するポイントが記されていました。各楽器のパートリーダーはこの箇所は必読でしょう。また新米指揮者にとってもそれぞれの楽器の特性は知っておく必要がありますので、是非マスターして欲しい内容だったと思います。 この『組曲第1番』という選曲はいいですね。譜面ヅラは平易でありながら、合奏するとアンサンブルの良さが感じられ、和声の展開とメロディの美しさが特徴と言えるでしょうから。
76ページ以降の「合奏の心得」では、丸谷先生指揮の淀川工科高等学校吹奏楽部の練習風景が書かれていましたが、内容のある言葉が並んでいました。流石に何回もコンクールを制してきた方の練習の重みは違います。
83ページ以下の上級編では「スコアの読み方」が書かれています。確かに高校生にとっては「上級」かも知れませんが、指揮をする場合は必須の訓練ですので、実践で繰り返し理解して欲しいでしょう。ここももう少し深い内容も掲載してほしいですね。上級編なら尚更です。なお、「はじめての和声学」は書かれているように「基本中の基本」でしょうから、もっと別の本で深く知る必要はあると感じました。もっともこのあたりはどこまで丁寧に記述すればよいか判断に迷うところでもありますが。
このDVDの魅力といえば、何と行っても、エアーズの作曲者の指揮で楽しめるということである。 残念ながら、柏市立柏中学校は銀賞だったが、ブレーン社の心意気を感じさせられる。 作曲者ならではの、微妙なニュアンスの違いを堪能できます。 コンクール、しかも全国大会では絶対してはいけない事。 課題曲と自由曲の間に拍手まで起こります。 ほかの曲は賛否両論に分かれるのではないだろうか、とおもう。
星にすれば4ですが。感想は最大の評価としたいと思います。▲1点は字数の多さですね。
でもとっても共感の持てる内容で、この学校(通称「イチカシ」)は吹奏楽では有名校ですので 一体どんな所なのか?という単純な興味から読本に至りそのまま本校のファンに・・・
金賞より大切なこと・・・それは、代表校への選出?いやいや、そんな事じゃありません。
いかにして難関の「普門館」選出常連校となりえたか? それは目的ではなく、楽器演奏を通じた様々な教えの延長線上にある 結果の一つであることと気づかされます。
教育の現場では教師ではどうにもならない大きな問題が多く指摘されている昨今。
単なる部活動として捉えるのではなく、教育の一環としての活動として考え取り組んでいく 根幹的な問題解決の糸口が見つりそうな気がします。
もちろん、「今時の若者」達の「捨てたもんじゃない」的な行動も見逃せません。
吹奏楽に関する薀蓄、それもアマチュアのコンクールの上位入賞団体・選曲・演奏に特化した薀蓄を語る人というのは、少なからずいるものである。この本は、著者たちが思いっきり薀蓄を語った本であると言え、その意味で楽しめる。
この本では、曲ごとに、楽曲解説と、名演奏の団体・年度・特徴を紹介している。面白い切り口ではある。ただ、各団体の演奏について、たとえば編曲・カット・調性・演奏スタイルの具体的な特徴など、音楽そのものへの具体的な言及が乏しいのが、個人的には物足りなかった。同時に、各演奏団体を構成する団員・生徒たちへの視点が乏しいのも気になった。
結構なボリュームの本ではあるが、巷にあふれている吹奏楽の薀蓄はこんなものに留まっていないとも感じる。その意味では、二番煎じ的な著書が今後続々登場する可能性も高い。今までこの種の書籍がほとんどなかったこともあり、先陣を切った意義は十分認めるが、二番煎じ的な著書の登場時には色あせてしまう可能性も感じた。
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