NHKとしては天皇家のルーツに関する題材をよく作ったなと感心する作品ですが、当時の新旧を織り交ぜた役者陣の力演、特に、フランキー堺演じる悪役は前半を巧く引張り、前半の最大のクライマックスの鎌倉炎上を盛り上げ、「鎌倉炎上」のエピソードは、大河ドラマ屈指の傑作と思います。 総集編は、駆け足の感はありますが、全体を損なわずにいるので、全話見る時間の無い人にはぴったりかと思います。
大河ドラマは多く傑作がありますが、個人的にはこれが最高傑作だと思っています。
1.描かれている時代の希少さ 鎌倉末期〜南北朝時代を描いている大河ドラマは後にも先にもこれだけ。大河ドラマに限らず、この時代の映像化はかなり少ないはずです。 戦国、幕末と言った時代も面白いのですが、やはり映像化されてない時代は新鮮味が違います。 勢力図等も含め、かなり複雑な時代を分かりやすく、かつ単純化しすぎず描いている池端氏の脚本も素晴らしいです。
2.脇役のキャスティング 放送当時はトレンディ大河と揶揄されることもあったらしく、実際に台詞回しがかなり怪しい俳優さんも何人かいらっしゃいます。 しかし、全体的にはそれを補って余りあるナイスキャスティングだと思います。 鎌倉幕府では北条高時(片岡鶴太郎)、長崎円喜(フランキー堺)、南朝側では後醍醐帝(片岡孝夫)、北畠親房(近藤正臣)、北朝側では佐々木判官(陣内孝則)、足利直義(高嶋政伸)・・・ それぞれが迫真の演技だったり、ノリノリの演技だったりでドラマということを忘れさせてくれます。 個人的には、従来クローズアップされることがなかった足利貞氏に緒形拳氏をキャスティングしたことで、貞氏自身とストーリーにかなり深みが増したなあと思います
3.主演・真田広之 良い作品は細部に目が行きがちで、大事なところを見落としがちですが、やはり名作たる最大の所以は主演の真田氏の好演だと思います。 武家の棟梁たる力強さと気品を兼ね備えている感じがとても素晴らしかったです。 恥ずかしながら、同氏の作品をまともに見るのはこれが初だったのですが一気にファンになりました。 張りがあってどこか艶っぽい声、所作、そして流鏑馬にスタントを必要としない乗馬や殺陣の技術・・・最高に時代劇が似合います。 現在はハリウッドに活動の拠点を移してるということですが、ぜひ日本の時代劇でもっと御姿を見たいなと思いました。
一見の価値がある作品です。
日本の歴史の中でも鎌倉末期のこの時代はとても興味深く日本の歴史が変わる時代です。 天皇の存在と武士の台頭そして武家社会への本格的転換期。
ずっと以前に太平記は見たのですが、最近再びビデオで見て、テーマ音楽と他のサントラが耳について離れず、こちらのCDを購入。今の大河ドラマのサントラとは違い、この頃のものは曲数も少なく、9曲ですが、どれもいいです!非常に美しい音楽で変化もあり、飽きません。買ってから毎日聴いています。ドラマも期待を遥かに上回る面白さでしたが。太平記を一度見た方はこのCDは絶対オススメです!
演奏/NHK交響楽団 他
収録曲 (1)花の生涯 (2)赤穂浪士 (3)太閤記 (4)源義経 (5)三姉妹 (6)竜馬がゆく (7)天と地と (8)樅ノ木は残った (9)春の坂道 (10)新・平家物語 (11)国盗り物語 (12)勝海舟 (13)元禄太平記 (14)風と雲と虹と (15)花神 (16)黄金の日々 (17)草燃える (18)獅子の時代 (19)おんな太閤記 (20)峠の群像 (21)徳川家康 (22)山河燃ゆ (23)春の波涛 (24)いのち (25)独眼竜政宗 (26)武田信玄 (27)春日局 (28)翔ぶが如く (29)太平記
1991年ポリドール、POCN−1052
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