1947年のカリフォルニア州ホリスターで起こった暴走族の集会が発端で 映画化されたもので、、その事件は後のヘルス・エンジェルスの結成に つながった。日本でも、昭和30年代に社会問題にもなったカミナリ族 (暴走族の前身)誕生に影響を与えたとされている。
イギリスでは、あまりにも青少年に対して悪影響を及ぼしかねないとして、 10年以上も上映を禁止されていた。
50年代に数々のヒット作に主演したマーロン・ブランドであるが、今作は どちらかといえば、評価が低いほうであった。
ブランドのどこかツッパッているのだが憎めないキャラがジョニー役に ぴったり。
暴走族が社会的に多くの人々に迷惑をかけている事を暴露し、それでも、 勇敢に立ち向かっていく町民の結束が描かれ、暴走族撲滅というよりは、 ルールに沿って生きる重層性を訴えている作品ともいえる。
マーロンブランドの魅力のみでもっていると言って過言ではない。お馬鹿なチンピラの日常を平板に描いたストーリーには共感もなければ深いテーマも見出しにくく、特に考えさせるものはなかった。ただ、50年代初めのアメリカのバイカーズファッションとマーロンブランドのかっこよさが唯一の見所か。
フランス語で「クレル」とはすなわち「乱暴」という意味で、「クレル・ド・ブレスト」はずばり「ブレストの乱暴者」と直訳されてよかったと思う。 さて、ストーリーだが、やはりジュネ、言語やレトリックにおいて実験的だ。50年前に書かれた小説だとはやや信じがたい。 クレルの生き様は愚かだが、どこか涙をそそわれる哀しみがそなわっている。己の愛情がどうしても相手に伝わらない・・・だからクレルは殺人を犯すのだ。 そして、殺人を犯したとして、クレルは救われるか・・・結局、殺人によっても、いや、どんなことであっても、クレルは救われない。 その厳然たる事実に打ちのめされた。恐ろしい小説だ。 なお、本作は、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーによって映画化されている。
マーロン・ブランド主演映画としても、バイカー映画としても有名な作品がブルーレイで発売 されました。衣装などは梅宮辰夫の「不良番長」の元ネタだろうか?
いくつかの映像特典(SD画質)はこの際置いといて、近年のクラシック映画のBDのような 入念なレストアは行なっていないようで、画面のトーンが時々大きく変わります。特に 主人公たちが屯しているシーンなどで、画面下部に糸くずのようなものが写り込んでいるのが なんとも残念。 (演出意図とも思えないし、消して消せないゴミでもありません) 音声がオリジナルのモノラルなのはいいとして、今どきドルビーデジタルというのも 手抜きの誹りは免れないでしょう。
もう一歩も二歩も頑張って欲しい商品化でした。
街を歩いている時の悪態をつきたい相手と心の中で悪態をついている自分を外から見たらこの小説みたいになるんじゃないかと思う。
内気で陰気な青年とコントラストをなす単純で元気のよい若者、
若者を指導するオシャレな中年女、根拠のない自信、
突然始る暴力の衝動と破壊、
人を苦しめるためだけに作られたシステムと社会、
悪臭、ポルノ写真至上主義、
花や小鳥や小動物への愛情、
これらの要素が合わさって物凄い迫力が生まれる。
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