司葉子の代表作であり、たぶんもっとも美しい頃に撮られた映画。 和歌山の旧家に川を船でゆられて嫁いでいく司葉子の、上品な美しさが格別。 明治期の和歌山の旧家の暮らしや、文化に触れられ、日本の古き良き時代が郷愁を誘う。司葉子自身が、旧家出身女優。今、この役をこなせる女優がいるだろうか?とふと思った映画。 女のお守りである「乳形」をこしらえて、神社に奉納する風習のシーンが忘れられない。時代考証に基づいた、旧家ならではの重厚で品格のある着物の数々、帯の豪華さや小道具やセットにも目を見張った。 また、美しい兄嫁に思慕の想いをよせながらも、旧家の古い因習・本家・分家制度に反抗する若き丹波哲郎の演技も必見。 ヒロインの娘役は、若かりし頃の岩下志麻。母親とは全く違い、行動的で革新的な娘を演じた。 紀ノ川が女の一生を象徴するだけではなく、日本が明治・大正・昭和・戦後と大きな時代のうねりとともに変遷していった様も見られる秀作。 武満徹の音楽も美しい。
1967年作品、 成瀬独特の都合よくどんどんと物語が展開するメロドラマの逸品、ご都合主義が強い展開に観客の好き嫌いが分かれると思うが、そこにこそ男女の業を見ることも可能であろう、 連続して主演女優司葉子として活躍していた時期の末期に当たる作品、加山雄三にとっては二枚目の主演男優全盛期の作品となる、東宝の美術陣らしいセットが東京オリンピック後の映画らしさを伝えてくれる、 クライマックスの十和田湖半、白いブラウスに同系色のスラックス姿で山菜を摘む司に加山が近づいていく、司は加山に気付いていない、はっとする司、このシーンにおける司葉子の美しさはまさに息を飲むほど、女優冥利に尽きるとはこれだろうとおもう、そう、成瀬は美人は壮絶な美人として撮影できた人なのだ、1960年作品「夜の流れ」のラスト・シーン、芸者姿で日本橋を自信たっぷりに歩く司の姿とともに評者にとってまさに永遠の場面である、
間違いなく代表作ですね。 金田一ファミリー(と言っても良いでしょう)おなじみの役者さん達がキャラ強くエンターテイメントしてくれています。楽しめます。最初は感じなかったのですが観終わった後で、重く残るのが冒頭のナレーションで『島名の由来』を語る部分でした。まあフィクションですから・・・。 瀬戸内の島は何度か旅した事がありますがどこも良い所で、出会う方皆暖かく歓迎していただきました。金田一になったつもりで『獄門島ツアー』などいかがでしょう?勿論、一人旅ですが・・・。
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