暗黒の『虐殺器官』の時代の後に来た、染みの無い、 真っ白な世界を装った時代を舞台としたディストピア小説。
『虐殺器官』の主人公のように「感情感覚を統御され」ている、 というギミックに頼ることなく、真正面から生命と死、 人間の自意識といった難問に挑んでいる。 (無論、答えが出ているわけではない)
PC画面や翻訳小説など様々な叙述形式を嵌め込んだ スタイリッシュな文体・用語、 前作にも増して緻密に組み立てられた世界観、 様々なイズムを並列してみせる社会観、 どの要素を採り上げても一級品である。
閉じ急ぎすぎのラストに批判もあろうが、他の要素が補って余りある。 この小説家の進化のステップを、今後一緒に踏んで行けぬことが 返す返す残念でならない。
吸盤で付けるタイプはすぐに取れる?と心配だったのですが、そんなことはなくちゃんとくっついて使えています。 うちの車の窓には丁度良い大きさでした。今のところ、間違って窓を下げても吸盤が中に巻き込まれたことはありません。
ただ他の方のレビューにもあったのですが、ひもをピンと張ってもカーテンの重みでたるんでしまい、上のほうに隙間ができてそこから日が差し込む のがちょっと残念でした。 日差しもさえぎってくれるし、薄手で外の景色も少し透けて見えて安心なのでお値段的には良い商品だと思います。
ヒトとしての生き方を捨てた囚人と、キャリアの成功を夢見る精神科医。 人間のエゴイズムが題材のこの作品は、私達人間に一石を投じる作品です。 C・グッティング・Jr.は傲慢で臆病な精神科医を演じていますが、 この配役が映画が表現したい人間像にピッタリだったと思います。 対するホプキンスは動物の社会に生き方の理想を見出した人間として、 人間社会にたいする失望・を惜しみなく表現してくれています。 面白かったのでみなさんにお薦めしたい気持ちはやまやまですが、 万人が気軽に楽しめる作品ではないので星を4つにしました。 出演者か題材に興味がある方はどうぞ。
シンプルな白一色の装丁が、逆に期待を膨らませる「ハーモニー」文庫版。
近未来、体内に埋め込まれたナノマシンにより、大人たちは未然に病気を防げる世界。
理想的ともいえる超福祉・健康管理社会において、子供たちがとった反抗。
html記述のような文体で綴られる物語には、ライトノベル的な読みやすさと、本格的なSF的展開が同居しています。
この文体自体にも伏線が張られているところも見事です(これ以上は未読の方に悪いので伏せますが)。
ライトノベル的、という意味では、ヒロイン達のDQNネームの斜め上を行く名前もそうですが、実在するライトノベルをネタにしたようなセリフもあり、その部分もオマケ的に楽しめます。
所々にドキッとさせられるセリフ、そして現在進行形のIT技術の進化の果てを予測したような未来の社会。
読了後に「ハーモニー」というタイトルが、何を指しているかが分かったとき、ちょっと背筋が寒くなりました。
気軽に読みはじめ、深く考えることもできる1冊です。
とても簡単に解けます。 だけどとても気に入っています。
★気に入った点★ 見た目が良いので、インテリアになること。 昔やっていた、知恵の輪と似ていること。
このパズルはぜひ小学生くらいの子供にやってほしいと思います。 各小学校に思考力を養ういう名目で置いてほしいくらいです。 昭和の時代に流行っていたかどうかわかりませんが、知恵の輪というおもちゃはありました。 2、30分がんばって、とりあえず止めて、悔しいから諦めずにまた始めるという思い出もあります。
知恵の輪には答えはあります。 だからよほど難しいものでなければ、頑張れば解けます。 時間を使ったものは使った分だけ嬉しさもひとしおです。 このハーモニーにそれだけのものがあるかどうか分かりませんが、 知恵の輪を知らない子供たちが挑戦するパズルとしては最適なはずです。 自分で考え、答えを導くという過程を学ぶ上でも最適なパズルではないでしょうか? 昔のおもちゃの話をする上でも役立つはずでし、親子で楽しめるパズルではないでしょうか? これをきっかけにさらにレベルの高いものに臨むのも良いかもしれません。
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