~米軍に従軍しなかった日本人ジャーナリストによるイラク戦争でのバグダッドのルポ本。当時の状況で取材を続けるうえでの現地の空気がよく伝わってきます。パレスチナホテルを米軍が砲撃した際の様子も、その時にホテルの中にいた当事者として克明に描いており、米軍の非道は明らか。従軍記者によるマスコミ報道では描かれていない側面が描かれています。何に~~せよ千円なら安い本でしょう。~
アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラク。 正直、読み進めるのが辛い本でした。 これが本当に現実なのか。 そしてこのような戦場を取材した山本さんへの問いかけ。 私と同じ年のこの人は、紛争地域の取材を続けました。 なぜ? 戦場で多くのジャーナリストが死亡していることを十分承知の上で、なぜ? 破壊された建物。 拷問を受けた女性。 怯えて暮らす老婆。 およそ子供らしくない表情の子供。 「誰がこんなひどいことをした。もうたくさん、耐えられない」 「戦争は、どちら側が正当かわたしには分からない。でも、ひとつだけ分かっていることがあるわ。私たちが犠牲者だってことよ」 「私たちにはすばらしい人生があったのに。もっと悪くなるのではと心配でならない。私の家はもうないの」 「誰も悲しみの意味を知らない。誰も本当の悲しみを知らない。悲しいと言っても本当の意味などわかっていない。でも今、私は悲しみを知る・・・」 私は屋根のある家に住んでいる。 空爆される恐怖はない。 道を歩いても、銃撃の心配はしなくていい。 道から逸れても、地雷の心配をしなくていい。 こんな自分に何ができるのだろう。 わからない。 でも、山本さんのような人が私たちの代わりに目となって、耳となって、伝えてくれている。 つらいけれど、受け止める以外に思いつかない。 そしてこの事実を次に伝えること以外に思いつかない。 せめて、今現在も戦場で怯えて暮らす人々がいることを思いながら、過ごしたい。
山本美香さんの本はすべて読みましたが、一番泣いた本かもしれません。 特に、最後の取材となったシリアの部分は涙が止まりませんでした。
2003年バグダッドで米国同時多発テロという歴史的瞬間に立ち会ったことを綴った 「中継されなかったバグダッド」は、絶版で入手出来なかったので 読めて本当に良かったです。
また、同じ女性として、佐藤氏との関係が、理解できなかったのですが、 この本を読んで、これまで知られていなかったエピソード等から、 知られていない深い何かがあるのだと、少しだけ理解できたように思います。
そして、常に弱い立場の人たち、声をあげられない人たちのことを思い、 伝え続けた、まっすぐな山本美香さんという人をあらためて尊敬しました。
心よりご冥福をお祈りします。
山本 美香さんの事は亡くなられてから知りました。 この本は子ども向けに書かれたようですが、大変参考に なりました。 紛争地の場所、その原因が書かれていて、ニュースで聴いても 曖昧だった点が分かりました。
戦争をする愚かさや、始めたら終わらせるのがいかに 難しいか、また子どもや女性が犠牲になる現実を 淡々と書かれています。 写真も多く有りますが、子どもの物も少なくありません。
命を懸けて紛争地を取材し、平和を希求された山本さんの ご冥福をお祈りします。
個人の出資者を募りサラリーマンが作った、
しかも役者は実力派揃いの異色作品。
確かに、賛否両論になりがちな作品だとは思う。
映像やカメラのパンの仕方など
チープに感じてしまう部分があるのも否めない。
設定もありがちと言えなくも無い。
しかしそれを補って余りある、役者陣の演技力と
カット割や展開などの演出。
107分と短い中で、この謎が全て片付くのだろうか? と途中で不安に思うほど
詰め込まれ、息もつかせぬストーリーは面白い。
こうした手作り感のある映画だからこそ、
短い時間でスピード展開にし
勢いで見せるというのは正解だろう。
舞台役者がドラマや映画に出ると、時にその演技が
浮いてしまうことがあるが
自分としては全くそれを感じなかった。
特に岡田達也さんの演技は圧巻。
ラストまで予測不可能という前評判は頷ける。
全体的に暗いトーンだが、後味は悪くない。
良作だと思う。
|