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今回で折り返し地点ということで、前半の総括がなされます。
 ◆#10「カボチャとハサミ」
 
 ステッキンがオーランドに、彼が来る前の陸情3課について語る話。
 その中で、“パンプキンシザーズ”という通称の由来が明らかにされ、
 実はエリートだったマーチスが、閑職である3課にいる理由も判明。
 
 
 ◆#11「静かなる胎動」
 ◆#12「見えざる痛み」
 
 #11・12は前後編。
 軍部の機密を公表しようとする者に対し、
 それを封殺せんと黒幕の組織が暗躍、
 アリス達の前にも立ちふさがります。
 
 #11でアリスは大変な目に遭うのですが、
 #12になるとそれについてはあっさり解決。
 少々拍子抜けでした。
 もう少し違う見せ方があったのでは?
 
 最終的に、事件は一応の収束をみますが、後味の悪い結末を迎えることに。
 #12のラスト、ゲストキャラ・セシルが、アリスの真剣さと誠意は認めながらも、
 諦念とともにもらす台詞が重いです。
 
 
 「立派だよ、あんた…。でも、戦災復興はアリスには無理だよ。」
 
 
 普通の人間は、アリスのように強いわけではない。
 ましてや貴族という身分で守られているわけでもない。
 
 目の前の暗い現実に押しつぶされている人々に、
 いかに希望を示していくのか―。
 
 3課の存在意義が改めて問われ、後半戦に続きます。
 
 
 
   
岩永亮太郎原作・月刊少年マガジン連載の
 「パンプキン・シザーズ」TVアニメの第1話〜第3話までを収録したDVDです。
 
 帝国とフロスト共和国の長期戦乱終結から3年経過した現在が舞台。
 しかし戦災の傷痕は癒えず、国内の治安は傾き、強者は弱者を嬲り、腐敗の一途を辿るばかり。
 ある街での任務中に出会った陸軍情報部第3課アリス少尉と
 元極秘部隊所属オーランド伍長との共同戦線から、
 彼女と彼らの『戦災復興』という名の正義の鉄槌と平和を貫く物語が始まります。
 
 女性であり、名門貴族マルヴイン家の次期当主という高い地位にありながら、
 自ら先陣を切って堕落した不正、暴力に敢然と立ち向かうアリス少尉の生き様は、
 まるで鉄の意志と炎の覚悟を兼ね備えたような新世紀のヒーロー(英雄)と言えるでしょう。
 毎回の作品背景にも常に戦乱と戦災の影が潜み、
 一概では語れない混迷した時代をシビアに捕らえています。
 
 この作品序盤で特に要注目すべきは『人間vs戦車』!
 本来ありえない・・・っていうか、戦いにすらならないはずの暴挙ですが、
 かつて戦場のおとぎ話に聞いた「命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)」こと
 オーランド伍長1人で戦車に挑み、砲撃を受けようが、突撃を受けようが、
 全くの回避運動無し(!)で、沈黙させてしまう異様な戦闘力のカタルシスは観る者を惹きこみます。
 また、「彼ら」の存在が帝国軍隊内部の闇を色濃く表現しており、この先の物語の行き先にも目が離せません。
 
 貴族女性ながら、義に生きるヒーロー。
 単なる人間ではない、地獄の戦闘力を誇る元アンチタンク部隊兵。
 まずはギャップの異なる二つ力強さを味わってはどうでしょうか。
 
 
   
戦災復興というテーマ、各キャラクターの味わいと名せりふ、凝ったストーリー設定です。応援している作品です。原作のあとを追いかけてシーズン2作ってくれないかなー
 
 
   
まず、戦災復興というテーマが新しい。またそのテーマに凄惨な戦闘シーン(戦車にくっついて大型拳銃をぶっ放す!)を持ち込んだコントラストも見事。
 パンプキン・シザーズ隊長のアリス・レイ・マルヴィン少尉はこの巻ではまだ
 直情径行型の吶喊リーダー的な描かれ方だが、人間としての気高さがあるので十分魅力的。
 他にもお気楽だが根がまじめなオレルド准尉、苦労人だが一癖あるマーチス准尉、
 イケナイ癖の抜けない軍用犬・マーキュリー号、ドジで場を和ませる(天然?)ステッキン曹長、
 とぼけ面だが底の知れないハンクス大尉、そして
 「命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)」オーランド伍長と目の離せない人物ばかり。
 かと言ってコミカルなばかりではなく、
 「オマエ(伍長)こそ本当の気持ちを無駄死にさせようとしているのではないか?」
 「一矢でも構わんっ 誇りのために撃てッ!」
 「遠くを見るな 前を見ろ そこにはちゃんと在るんだ…戦う意味が」
 など心に響く名セリフも少なくない。
 今のところこの巻でしか出て来ないアリスの寝巻き姿も眩しい(コラ)。
 
 斬新な視点で人間性に対する希望を描いた、読み応え満点の作品。
 
 
   
高橋氏の魅力は私見であるが、やはり大地なる優しさであろう。
激しいアップテンポでシャウトしまくっているが、なぜか優しさを感じる。
 激しさの中に暖かさを持ったこの楽曲は彼女の作品の中でも違った意味で
 名曲になるであろう。
 
 
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