最近でこそ三大テノールの競演には驚かなくなったが、当時ライバルの三人が一つのステージで競演するなどということは衝撃的だった。 パヴァロッティ、ドミンゴ、そしてカレーラス。みな素晴らしいテノールたちである。ひとえに三大テノールといってもその声質や表現、みな違う。それを一度に聞けるのだから本当に贅沢な一枚である。曲目もなんとオペラの目玉みたいな歌が目白押し。 中でもずば抜けた声はやはりパヴァロッティ。甘くロマンティックなドミンゴ。大ホールではどうしても見劣りしてしまうのがカレーラスだが、その繊細で深みのある優しい声は小さなホールで聞いてみたくなる。 これはクラシックに興味が無かったひとでもきっと心を奪われる、そんなアルバムだ。またそれぞれが得意の歌を披露し、お互い笑顔でありながらも火花を散らしているのがよくわかるDVDもかなりお勧めだ。
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