いい塩梅に仕上がった、なかなか芳醇なエッセイ。
カッコをつけず、ざっくばらんでしたたかで、
パンチもあれば、クスリと笑わせる愛嬌もあって、
ウッカリ油断していると、人間臭さにズキーンと胸を打たれたりする。
面倒臭いことをゴチャゴチャ書かないキレのある明白な文章で、
気軽に読みはじめることができるけど、
ページのアチコチにドボン!と落ちる深みがあって、
テキトーに読み終えることを許さない。
バッグに携帯していると、手持ち無沙汰なスキマ時間が、
貴重でワクワクする時間に変わる。
TBSドラマはまり症の気があるのだが、これも上位にランクする。 今井美樹の演技力を云々する程、演技のウンチクは無いが、な~んかひかれてしまうのだな~。って云ってるうちに最終回まで観た。で『やっぱ険しい道のりの末に結ばれんでしょ?』が『!!!』。終わった後でいつまでも自問自答してしまう。珍しく『スカッと』しない所がまた良いんだな~。 だから緒形直人と小泉今日子の『愛するという事』のエンディングも『また別れて行ってしまうのか?』とヤキモキしたが『写真できたよ』のセリフに『やっぱ、そうだろ~』って安心した。
元就は確かに謀略の人でしたが、そんな彼を所謂「乱世の梟雄(きょうゆう)」と呼ぶ声を聞かないのは、彼が信賞必罰をはっきりとさせたこと。
「三本の矢」(創作らしいが)の教えに喩えられるように身内の団結を重視したこと。
統率力に優れ、文武両道だったことなどに起因するようですね。
それにしてもドラマの元就は「いいひと」すぎですが。
信長がやっと尾張を統一した頃にすでに毛利は中国地方を平定していたのだから、一気に京都へ上洛して中央を押さえれば良かったのだが。
元就の「天下を望んではならない」という遺言も孫の輝元がその器ではないという判断からだったのかもしれないが、代わりの九州侵攻も四国侵攻も中途半端。
そのうちに、足利義昭に頼られて信長と戦わなければならないことに。やはり完全な安定期に入っていない時期の「天下を望むな」は領土拡大すらも否定することに繋がり、毛利家を守りの姿勢に入らせてしまったのではないか。
(その守りすらも結局、関ヶ原の戦いでの賭けが裏目に出て、周防・長門の二カ国に大減俸となってしまったわけだが)
そんな毛利家を何とか存続させたのは元就の三男・小早川隆景の功績が大と思う。
というか隆景が家督を継いでいれば展開かなり違うでしょう。
隆景を称えた「父に似ずして父以上」は誇張ではないです。
朝鮮出兵で明軍の猛攻に追い詰められた秀吉軍の危機を、湿地帯に敵を誘い込んで打ち破るなど、父・元就と共に数々の戦いをくぐり抜けてきた隆景は戦の達人であって、秀吉以外で徳川家康を別格とすれば、人物といい経験といい貫禄といい対抗できそうなのは黒田如水くらい。しかも親秀吉派であって信義にも厚いとくれば、隆景を失ったことは豊臣政権にとっても大きな痛手だったことでしょう。
社会人大学(院)生を目指す方々にとっては、受験からキャンパス生活まで、一定のノウハウを与えてくれる本。筆者のひたむきな向学心や人間観察力は刺激になるとともに、自らの学生生活を懐かしく想い起こし、感慨にひたれること大。
源氏物語の世界を軽く楽しく知ることが出来ました。この構成はすばらしいと思いました。
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