女性初の横綱審議委員である内館牧子氏が日経新聞の夕刊に連載されていた相撲に関する随筆は感心させられるものだった。特に「その通り」と膝を叩いたのはクールビズ姿での総理大臣杯授与を行った官房副長官と相撲協会批判であった。横綱審議委員という立場から協会寄りの発言をされるのかと思いきや、一刀両断のもとに両者を切り捨てた意見は見事であった。その氏の考えがまとまったものを読んでみたいと思っていたので、本書を見たときには迷わず手にした。
クールビズも問題であったが、その前に物議を醸し出したのは女性の官房長官や大阪府知事が優勝力士の表彰式において土俵に上がる、上がらないということで揉めたことである。
ふと、そういえばと考えてみれば、何故、女性が土俵に上がってはいけないのか、その理由はまったくわからなかったし、知らなかった。世間一般でいえば、「女はご不浄もの」ということで片付けてこられたが、男から人が生まれたとは聞いたことも無く、ご不浄といわれる女から生まれた男もご不浄ものである。
さすれば、土俵に女が上がる、上がらないという問題の論点は別のところにあるのではと思い到る。
優勝力士に優勝杯、友好杯、自治体や企業からの賞品が延々と授与される様がテレビでも放映されるが、かつてパンアメリカン航空極東支配人は外人でありながら紋付き袴、ときには開催場所の方言で表彰状を読み上げて観客を沸かせたものだった。なごやかなものであり、稚気に富むものであった。
推論だが、女性が土俵に上がって優勝杯を渡したいというのはある意味、稚気ではないかと思える。男ですら、一度は本場所の土俵に立って、神妙な面持ちの力士と同等の目線からほんの少し優位に立って杯を授けたいと思う。男性優位社会において力量を発揮した女も男に勝ちたいとか、より優位に立ちたいというよりも本音は茶目っ気から「やってみたい」と思える。
内館氏は東北大学の大学院で相撲についての研究をされてきたが、その研究の成果の披露にも似た内容が出ている。女と土俵という話題性のある読み始めから徐々に徐々に読み応えのある内容にと変化しており、最終的には自身の考えを述べられているのは論文の結を読んでいるかの如きだったが、感情的にならず、差別と区別を解った上で協会への苦言を呈されたのは良かった。
確かに、表彰式は内館氏が言うところの土俵の結界を解いてから行うべきだろう。そうすれば、聖も俗も関係はなくなり、クールビズだろうが女性だろうが、問題を起こした人物だろうが関係なく土俵にあがることはできる。これは名案と思うが、果たして相撲協会はどう考えるだろうか。
序盤、なかなかのめりこめなかった。主人公を取り囲む杉の方(松坂慶子)、井上元兼(片岡鶴太郎)らがナンなのかよく理解できなくて。やはり主人公が自分の力で局面に働きかけるようになってから本格的におもしろくなり、先ほどの二人のキャラの意味とかが分かってきて全体に、回っていく感じがし始めます。序盤から元就の人間観察力というか心理を読む力が毛利家の危機を何度となく救い、後半のチョウリャクへとエスカレートしていきます。尼子の二人(緒方拳と高嶋政宏)は全編通じて際立って魅力的でした。私は元就の知識に乏しくそれでも1555年に厳島の戦いで陶氏を滅ぼしたことだけは、知っていましたから年号がでるたびにあと何年だけど毛利はまだこんなに小さくて大丈夫か?と何度も思いました。毛利が大きくなったのは元就で言えば驚くほど晩年なんですね。尼子襲来の辺りからはらはらどきどきで、美伊の方や、水軍の二人(葉月里緒菜の加芽、的場浩司の野田次郎)の存在など史実を追うだけでないドラマとしての魅力をかもし出しています。後半の後半は登場人物もかなり入れ替わり雰囲気が変わります。私としては、へんてこな最終回を含め最後の辺りはちょっと好きでないかなと。元就がふけすぎて見ていてつかれちゃいますね。まあ、み始めてしまえば最後まで見てしまいますよ。最後の辺りの楽しみは輝元の活躍と山中鹿助でしょうか?面白いです。
『夢を追うこと』についてこれほどまでに現実的に切り込んだ人はいないでしょう。下手なノンフィクション作家の人生啓発本など読むより身になる。『夢を追って、飛んだ人』、『飛ばなかった人』とそれぞれの決断に後悔をしている人と、してない人と。
「さて、自分はどっち?!」
と、考えさせられる。夢を追いたいけど既に夢以外に捨てられないモノが多すぎて飛べなかったり=それほど真剣な夢ではなかったり。飛びたくて何かのきっかけを待っていたり、ある日突然なんでもないことで吹っ切れて飛んだり。
飛んでも飛ばなくても後悔は残る。
後悔しない人生なんてない。
その上で、自分にとって最悪の展開まで考えた上で、
アナタは飛べますか?
という本です。
先駆者たちの経験が読めます。
本当に、くだらない人生啓発本の比ではないです。
つい買ってしまいました。 ^^
内館 牧子さん、53才でひょんなことから大学院入学を志望。
その経験を本にまとめたもの。
人生男なら平均80歳 女なら85歳・・
仮に今50だとしても、あと30年。
会社員は65才で定年・・
そしたら養老院??
そんなのぜったいにおかしいよね。
まだまだやりたいことあるし、勉強もしたい。
わたしも いままで電気の仕事についていたが、
福祉の勉強をしようと一念発起。
現在在学4年に編入。
学生生活を送っている51才。
ようは自分が何をやりたいかで決まると思う。
時間はある。
久しぶりに充実感を感じるエッセイーを読んだ。著者の本質をついた発言は時々新聞などで拝見し好感を持つことが多かったが、このエッセーはアタリだ。結婚適齢期をチョイ過ぎ女性の微妙なこころを素晴らしく描いているが、それまでも肥やしにしてたくみに人生を切り開いていく著者の生き方がとても心地よい。人生捨てたものじゃないよという言葉が聞こえてくる感じだ。
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