大番頭ジョン・ギルモア(ts)を、"いい音"で聴く、その1。
ジョン・ギルモアの過激な任侠テナーが大好きな俺だが、サン・ラーを離れた時にどんなサックスを聴かせるのかにも大いに興味があった。そして捜し当てたのが当CD。チック・コリアを含むピート・ラロッカのリズム隊は相手にとって不足なし。期待に胸をふくらませてギルモアのサックスに耳を傾けたが…遺憾な結果となった。テーマをなぞるだけの無愛想なサックスは完全に端役だw。と言うかチック・コリアのピアノに耳を奪われる結果となった。何だこの無機質まるだしのピアノは!これはエヴァンスの冷徹さとは似て非なるもの。冷徹ではなくて冷血…#5の不気味な静けさから漂う妖気なんかもうオカルトだもんな怖い。バックでラロッカが複雑なパルスを送ろうが相手にならない…ピアノがドラムを喰っちゃうなんて凄いピアニストだ、チックは。
John Gilmore(ts) Chick Corea(p) Walter Booker(b) Pete La Roca(ds)
Impact Sound Studios, NYC, May 25, 1967
聴くととにかく最高に爽やかな気分になれます!爽やかなモーツァルトの作品の中でも、ヴァイオリン協奏曲3番と5番のカップリングもベスト!曲自体も爽やかですが、ベル君の美しく軽やかな演奏は、もったいぶったところがなく、聴く者の心を本当に晴れ晴れとさせてくれます。 私は長距離ドライブに行く時はよくこのCDをかけますが、長時間の運転の疲れも吹き飛ばしてくれる爽やかさです。ずっと聴いていても飽きません。青く晴れ渡った空のもと、緑の牧場の中を駆け抜ける、そんな時にはぴったりの音楽です。そばに牛たちなんかがいた時には、「ほらほら、牛さんたち、聴いて~!」と窓を開けて、ベル君のモーツァルトを聞かせてあげました!家で聴く時も、そのような爽やかさが心の中で広がる素晴らしい演奏です。 最近モーツァルトが流行っていますが、これは最高に素晴らしいものだと思います。絶対に必携の一枚です!
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