CDでこれだけ膨大な武満作品を揃えようとすると、かなり大変であるが、この全集は、よくある全集のように、古い録音の再発ではなく、CD12枚に、有名な曲は、比較的最近の録音を採用し、そうでないものも、極力探し抜いて、放送局に有ったテープからCD化されている。このような曲は、今後も1枚ものCDに収められないと思う。また、CDよりも分厚い解説書が素晴らしい!楽譜の一部が載っていたり、武満本人の当時の談話がおさめられていたり、この解説書だけでも貴重なマニュアルとなっている。コストパフォーマンスでも、真面目な音楽ファンにお勧めです。
日米開戦にともない日本とアメリカの板ばさみになったハワイ日系二世の悲劇を余すところなく描いた実相寺監督の傑作のひとつ。 主演の笠智衆さん絶品の演技、もうこのような俳優は二度と出ないだろうな。加藤治子さん美しかった。武満徹さん音楽素晴らしい。 一人でも多くの日本人、アメリカ人双方に見てもらいたい。 戦争は個人、家族、一族にたとえようのない悲劇をもたらすことを 再認識しよう。
そうですか、武満さん逝去から10年ですか。早いもんですね。それを機にして、しばらく入手困難だった映画音楽選集がBOX化。ボーナスCD(貴重なインタビューCD)もついてこの価格です。まず感涙しましょう。毎年、春になると何気に武満が聴きたくなるのは、彼の命日に感傷的になっているわけではなく、芽吹き、花咲く植物たちのような静謐なれど怪しいほどに力強い生命を感じたいからでしょう。彼の映画音楽はもちろん映画ありき、の作品群ではありますが、有体に言えば映画を知らずとも陽気の中で聴く者が思い思いに想いを馳せる楽しみを与えてくれるものです。あなたがもしジョン・ウィリアムズを10回聴くのだとしたら、その1回分の時間を、ぜひこの日本の産み出した典雅なる才能との出会いにしてほしいのです。春、武満。今も耳をそばだてたくなる美しい響きが陽気と妖気をかもしだします。そうですか、もう10年ですか。。。
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