非常に重厚なドラマであり、丁寧に描かれている為3時間を越える大長編になっています。しかし、後半はめまぐるしく展開が進んでいくので私は長く感じませんでした。開拓時代ということで、まだ「法」も「国家」も現在のように強固なものではなく、自分たちが住む小さな町でさえ無法者たちに脅かされているので、父親や夫が家族を守る必要が非常に強かった時代といえます。それだけにこの映画から「家族」や「兄弟」という言葉がよく出てきます。法律家であるワイアットの父でさえ「血は水より濃い」といい「法の拘束力」や「他人」を信頼できずにいたのですからいかに治安が不安定で、家族という小さな共同体の結びつきが大事だったかがよく伝わります。このドラマはワイアットの鬼神のような活躍もさることながら、家族や愛する者を守ること、そして、何事も無く一日を無事家族と過ごせることが如何に尊く幸せなことなのかを考えさせてくれます。そして、家族がいつも側にいるのが当たり前の我々に、今一度当たり前のことが当たり前でなかった時代があったことを教えてくれるでしょう。おすすめです。
今から81年前の1929年1月13日ロサンゼルスで80歳の伝説のガンマンが死去す。
その人こそ1881年、有名な「OK牧場の決闘」でモーガンと兄のバージルそしてドグ・ホリディと共に見事なガンさばきで悪漢をやっつけた、あの保安官ワイアット・アープです。
私たちにとってそれは、映画『荒野の決闘』のヘンリー・フォンダであり、そして映画『OK牧場の決闘』のバート・ランカスターであり、あるいは映画『墓石と決闘』のジェームズ・ガーナーであり、一番ごく最近では映画『ワイアット・アープ』のケヴィン・コスナーであるのですが、なんとこれが実在の人物であるということをご存知でしたか?
私は女だてらに小学生の頃に西部劇にはまってしまって以来二十余年、ともかくガンマンといい映画テレビのウエスタンといい、チャンバラを横目に見ながら追い求めて来て(時代劇もまた好きなものですから困ったものです)、逢坂剛×川本三郎『大いなる西部劇』や、六人のガンファイターと称した逢坂剛・川本三郎・菊地秀行・永田哲朗・縄田一男・宮本昌孝の共著『西部劇への招待』などを読んでも、ほとんど教わることがないほどマニアになってしまっているのですが、スクリーンに登場する名立たるガンマンたちが、あのビリー・ザ・キッドさえもが、まさか実際にいたとは思ってもみなくて、それを自覚したのがここ数年前というのですから呆れたものです。
しかも晩年彼は映画監督ジョン・フォードと親交があって、時代の生き証人として自らの西部開拓史を目の当たりにした体験を話したということで、これはおのずと西部劇製作に大きな影響を与えるものだったはずですね。
ガンマニアとしては、彼が愛用したというコルトピースメーカー(例の銃身の長いリボルバー)は16インチ(40センチ)という長さで、早打ちにはもちろん、手が大きくて指の長い私自身でも非常に使い辛くて困ったものでしたが、どうやら本当は使ったことのない作り話だったらしいですから、使いこなせなくて当然で安堵したということも思い出しました。
それにしても、1929年という世界大恐慌の年に亡くなったワイアット・アープも、まさか80年後にはほとんど自分自身も忘れ去られてしまう事態になるとは夢にも思っていなかったでしょう。
記述日 : 2010年01月13日 11:17:34
ウエスタンにはまっています。自分の撮影用に買いました。2バレルのが欲しかったので 満足して気に入っています。
史実を忠実に良く描いている、長くなるのも当然といえる。 OKコラルの決闘はこの映画が一番良くできている。 資料としても価値があるが、ケヴィン・コスナーが嫌いなので★3です
ワイアット・アープの半生をマンガ化ということで、 近年ではほとんどなくなった純粋な西部劇物です。
歴史物に特化したウェブマガジンから単行本化とのこと。(現在は閉鎖)
絵柄は若者向けでいて、なおかつ上手い。 保安官側はボーイズラブっぽいイケメンガンマンたちで 悪役たちのほうは、ワイルドなオッサンたちで、西部劇らしいかなという印象も。
ステレオタイプである無口な主人公像は、 マンガではなかなか厳しいそうなところとあるが…まぁご愛敬か
ただ半生もろくに描いてないし、ぜひ続編を希望したいところ。 シナリオがちょっと変なのは、サイトが閉鎖したから(打ち切りで)、 単行本用にまとめたからじゃないかな?
この題材でOK牧場がないとかね…。
なにはともあれ、なかなか面白かったし、西部劇ファンにはオススメしたい一冊です
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