今年の芥川賞受賞作と聞いて読みました。主人公の永遠子と貴子の現在と過去、または、現実と記憶の物語です。2日間くらいの内容と思いますが、心理面の記述を主体に豊富かつ的確なタッチで描いています。女性らしい繊細な感じを与えるとともに天賦の才能が感じられます。私は過去の記憶と現在の出来事が互いに干渉しあいながら時間がゆっくりと流れているのだということを考えながら読み進めましたが、それ以上の物語ではありませんでした。私の読み方が浅いのかもしれませんが、この物語の中で筆者が何を言いたいのかということについては最後までわかりませんでした。また、読み終えることに多少忍耐を要したことも付け加えます。
土地や大気に溶け込んだ死者の記憶の断片を解読してゆくような不思議な文章。幾つもの時空から平行して煙のようにたちのぼってくるような。或いは冒頭とラストに示唆されたように、題名のない書物のなか綴られていたのかもしれない幾つかの断片。物語のなかの物語のなかの物語のなかの…と繋がってゆき、ついには余白へと溢れだす。堪能しました。
今年の芥川賞受賞作と聞いて読みました。主人公の永遠子と貴子の現在と過去、または、現実と記憶の物語です。2日間くらいの内容と思いますが、心理面の記述を主体に豊富かつ的確なタッチで描いています。女性らしい繊細な感じを与えるとともに天賦の才能が感じられます。私は過去の記憶と現在の出来事が互いに干渉しあいながら時間がゆっくりと流れているのだということを考えながら読み進めましたが、それ以上の物語ではありませんでした。私の読み方が浅いのかもしれませんが、この物語の中で筆者が何を言いたいのかということについては最後までわかりませんでした。また、読み終えることに多少忍耐を要したことも付け加えます。
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